学園設定(補完)

□同級生−その3
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#32

作成:2016/10/10




連休のため珍しく日曜日に待ち合わせた銀時は、食事の後、思い切って言ってみた。

「今日は……先生んち、行きたい」

いつもだったら近場のラブいホテルで休憩して、その日のうちに帰るだけ。

春休みに出会ってなんとなくそういう関係になった年上の男は、新学期教師として銀時の前に現われた。

無かったことにされるかと思ったのに半年経った今でもこうして会ってくれる。

普段眼鏡にスーツという堅い身なりのせいか、メガネなしの私服だと“土方先生”には見えなくて割と堂々と会うことができた。

今までに2,3度家に行ってみたいと言ったことはあったのだが、コソコソしなくて良いせいで断られてしまうのだ。

だからずっと言わずにいたことを今日は頼んでみた。

「あ?」

きっと断れるんだろうと思っていたのに、土方はちょっとの間じっと銀時を見たあと答える。

「……別に良いけど」

「!? まじでかっ! な、なんで?」

もしかして“今日行きたい理由”を知っていて承諾してくれたのかと思ったが、

「何でって何だ。お前が来たいって言ったんだろ」

不機嫌そうな声でそう言われて、そう都合良くはいかないものだとしょんぼり。

だけど初めて家に行けるのだから、嬉しいことには違いない。




土方の匂いに包まれた部屋でベッドで、荒く息をつく身体を抱き締める。

時計を見ると0時を超えていた。

『……ハピバ、俺……』

誕生日に好きな人と一緒に居て、好きな人を抱き締めていたい。

気持ちを伝えたこともない相手にそんなことを思ってるなんて、ガキ臭いと笑われるかと思って言えなかった。

一方通行でもこうしていられるのが幸せだと、気持ちを噛み締めるように抱く腕に力を込める。

そんな銀時の背中に土方の腕が回ったと思ったら、

「誕生日おめでとう」

そう言われて、驚いて思わず体を離して上体を起こした。

「な……な、なんで……」

教えたこともないし知らないと思っていたので驚く銀時に、土方はおかしそうに笑った。

「担当学年じゃなくったって、生徒名簿ぐらい覗ける」

「……なんで?」

「あ?だから……」

「俺のこと、知りたいって思ってくれたの?」

何度も会っているけれど、そんなことをしてくれるぐらい興味を持ってくれていると思っていなかった。

土方のほうも銀時にそう言われるまで自覚がなかったのか、あれ?という顔をしてから、

「…ちょっとはな…」

なんて照れくさそうに言い訳する。

そんな顔を見れたことも、そう思っていてくれていたことも、嬉しくて銀時はもう一度ぎゅっと抱き付いた。

本当はこのまま告白してしまいたかったが、返事がどちらでも、今日はいっぱいいっぱいで心臓が持ちそうにない。

今はこれだけで良いと、今までで一番幸せな誕生日を満喫する銀時だった。


ハピバ、銀さん!


 おわり



突発で考えた土方先生は、うちにしては珍しくエロイ先生になりました。
描写してないけどね……うん、エロイんだよ(笑)
続きそうで続かないだろうけど、こんな二人もいいな……うん。

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