学園設定(補完)

□逆3Z−その3
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「負けたら、てめーの痛い過去を洗いざらい暴露してやるからな」

「うむ。私もお前が血反吐を吐くぐらいのネタを持っているぞ」

“誰に”とは二人とも敢えて言わなかったが、坂田はさーっと顔色を変えて反論しようとしたが、

「じゃあな!頑張れよ、銀時!」

「楽しみにしているぞ」

そう言って嬉しそうに自分たちの学校へと戻って行った二人に、勝手なことを言われて立ち去られた坂田はがっくりとうな垂れている。

その様子を見ていた部員たちは、坂田の強さの片鱗を知ってドギマギしていた。

桂と高杉といえば、中学のころから全国大会などで優勝するぐらいの実力者で、剣道をしている者なら名前も顔も知れている有名人だ。

その二人にあんなことを言われているのだから、無名でも坂田の腕前も知れるというもの。

部員たちは目を見合わせて、不安と同時に気合いを入れた。

その甲斐があって、高杉たちに言われたように“全部勝つ”は無理にしてもできるだけ頑張ろうと思っていた坂田は、思ったよりも楽に勝ち進むことができた。

他の部員たちが少しでも坂田の役に立とうと必死で食らいてくれて、ヘトヘトになって坂田にバトンタッチしてくれた彼らに、坂田は嬉しそうに笑う。

土方が喜んでくれるかと思って入った剣道部だったけれど、一人でも勝てる武術ではあるけれど、昔を思い出してみんなで頑張るのも悪くないと思った。

なので、頑張ってくれた部員たちのためにも、桂と高杉をぶっ倒して秘密を守る坂田でした。




その2.

部活の休憩中、土方は気になっていたことを坂田に聞いてみた。

「そういえば……お前、バイトはどうしたんだ?部活に来てる時間が多いけど……また夜中になにかやってるんじゃ……」

夏休みが終わって部活に集中していたせいで忘れていたが、部活が終わったあとにバイトしてるのだろうかと気になったのだ。

「あー、ないない。万事屋の依頼はまだちょっとやってるけど、他のバイトは辞めたんだ」

「……大丈夫なのか?」

食事代は自分で稼げ、という家の方針のためにバイトしていると聞いていた土方は心配になるが、

「それが、部活始めたって言ったら、婆さんが飯も出してくれるし、腹が減ったら帰りに何か買えってこずかいまでくれるようになってさー」

理解できないという顔をして坂田はそう言った。

厳しい祖母の態度急変を疑問に思っているようだが、土方にはなんとなく分かった気がする。

坂田が剣道を続けてくれたことが嬉しかったのだろう。

祖母と言っても血は繋がっていないようだったが、時には厳しく、時には優しく、愛情をもって育ててくれてるんだなぁと土方は感じた。

なので「良かったな」と言ってやるつもりだったのに、

「なんだか気持ち悪ぃんだよな。はっ!もしかして死期が近いとか……」

なんて真剣な顔で言い出す坂田に、土方はげんこつをくれてやるのだった。




その3。

「せんせー、俺、部活引退まで頑張ったよな」

「ああ。おかげで部員も増えて剣道部が盛り上がってくれたよ」

「だったら、そろそろ“考えてやる”の結果も出して欲しいんだけど」

「…………覚えてたのか」

「当たり前ですぅぅぅ! 全部先生のためだろうが」

「……剣道が好きだから、って言って欲しかったけどな……」

「…それは…………ちょっとは思ったけど……」

「そうか。なら良かった」

「………だ、だからぁ、俺が聞きたいのはそっちじゃなくて……」

「分かった分かった」

「誤魔化すなよっ、俺はちゃんと真剣に……」

「分かった分かった」

「先生の方から“考える”って言ったんだからなっ」

「分かったって言ってんだろ、しつけーな」

「なんだそれ、逆ギレ……あ?……分かったって、“分かった”? 了承したって意味!?」

「………」

「先生!? あ、逃げるなよっ!」




おわり



おかしいなぁ、こんなに長くなるはずじゃなかったんだけどなぁ。
校則違反をする生徒の面倒を見る教師……ってだけの話だったのに……
剣道を入れちゃったのが不味かったな(笑)

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