原作設定(補完)
□その25
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#249
作成:2016/11/01
江戸かぶき町在住、万事屋銀ちゃんの社長、坂田銀時です。
実は俺にはもう付き合って一年ぐらいになる恋人が居ます。
相手は何と……真選組副長の土方十四郎でっす。
ずっとカッコ可愛いなって思ってて、ダメモトで告白してみたらOKしてもらって、ちゃんとデートもチューもしてるんですけど……
エッチがまだなんですぅぅぅぅ!!!
何度か迫ってみたことはあるんだけどね? そのたびに拒絶されてます。
向こうが開き直ってくれたら、こっちだって開き直って強引に迫るぐらいのことはできるんだけど、いつも申し訳なさそうな顔をするんですよ。
そしたら無理にはできねーじゃん。
分かるよ、男だし、やられるほうに抵抗がある気持ちは分かる。
だから妥協して突っ込みなしでも、触ったり触ったり触ったりで気持ち良くなるだけでもいいんだけど……
それを言うのってカッコ悪くね?
必死っぽくって引かれね?
どうしても突っ込まれるの無理ってなら逆も考えなくねーよ。
でも逆で良いからとは言いたくねー。
……だってやっぱり突っ込みてーんだもんよ!!
あの子のエロイ顔とか見てーんだもんよ!!
……もしかして、友達でいいのに告白されたから仕方なく付き合ってるとかそっち系?
なかったことにしたほうがいいのかなぁ。
そんな感じにモヤモヤしていた銀時は、お付き合いを初めて1年目のデートで、けじめとして付き合いをやめたほうがいいのかずばり聞いてみることにした。
銀時の問いかけに土方はいつもの申し訳なさそうな顔をして、逆に問いかけてくる。
「……やれねーのが理由か?」
それだけじゃないけれど、そのせいで自信がなくなったのも事実で、銀時が何も答えないでいると、
「………」
「やっぱりかこの野郎ぉぉおお!!だったらこんなもんこっちから止めてやらぁぁぁ!!!」
申し訳なさそうな顔から一転、鬼の形相でどかーんと爆発してそう怒鳴ると、土方は帰ってしまった。
残された銀時。
しばらく呆然としたあと、土方の叫びを反芻して、
「え? 何? やっぱりって何ぃぃぃ??」
意味が分からず、別な意味でもやもやするのだった。
土方の捨て台詞が納得できなかった銀時は、急いで真選組屯所まで出向いたが、門番の隊士は“副長から入れるなと言われている”と通してくれなかった。
懸命に説得を試みたが融通が利かない隊士だったので、仕方なく実力行使で押し入り、記憶をたよりに庭から副長室へと侵入する。
扉を全て閉め切った部屋の隅っこで土方はしょんぼりとしていた。
落ち込んでいるような姿に銀時の胸はきゅーんとときめくが、
「何しに来やがった」
と訊ねるドスのきいた声に怒鳴られたことを思い出し、部屋の中に入ると離れた場所に座って本題に入る。
「あのさ、さっきの“やっぱり”ってなに?」
銀時の声が神妙だったせいか、うっ憤が溜まっていたせいか、土方は顔を上げて銀時を睨みながら、
「体が目当てだったんだろう。やりてーだけならもっと楽な相手を探せ。俺はそんなの…ごめんだ…」
強い口調で始まった言葉は、消え入るようにか細くなっていく。
土方がそれを本気で言っていて、それが本当に望んでいることじゃないことも銀時には分かった。
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