原作設定(補完)

□その24
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#239

作成:2016/10/15




「総悟ぉぉぉ、サボってんじゃねぇぇぇぇ!!」

「多串くんじゃん、今日もテンション高いね」

「サボってねーです。休憩してるだけでさぁ」

「休憩時間でもねーのに休憩することをサボってるって言うんだろうが!!」

「……ちっ……誕生日ぐらい部下に優しくできねーんですかぃ」

「サボらない部下なら優しくしてやらぁ」

「多串くん、誕生日なの?今日」

「そうでさぁ。5月5日の子供の日なんて似合わねーでしょう」

「てめーが言うなっ」

「へえ、何か似てるね、俺と」

「あ?」

「旦那、いつなんですかぃ?」

「10月10日」

「げ」

「土方さんの二倍……というか、土方さんが旦那の半分ですねぇ」

「だ、誰が半分だコラァ!!」




なんてことがあったのが5ヶ月前。

アイツの誕生日なんてどうでもいいと思っても覚えやすいだけに忘れられず、その間にこんな関係になってるとか……想像もしねーよ。

「…ぐかーっ…」

……ちっ……やるだけやってすっきりしてぐーすか寝やがって。

好き合ってるわけでもない、付き合ってるわけでもない。

たまに酒を飲んでヤルだけの軽い関係だけど、思っていたほど嫌な奴じゃないのは5か月で分かった。

居心地がいいと感じている自分と、湧いてくる情。

だから“何かプレゼントでも用意してやるか”と、このだらしない顔を見て思っても仕方ねーだろ。

なんて、当日に呼び出してもどうせ暇してるだろうとサプライズ的な気分になっていたら、仕事が入ってしまった。

ごたついて屯所に戻ってきたのは真夜中で、ヘトヘトだったのにアイツの顔が浮かんだ。

着替えながら時計を見ると30分前。急げば間に合うかもしれない。

そう思ったら部屋を飛び出していた。




明かりが点いている家のチャイムを鳴らすと、奥からブツブツと文句を言っている万事屋の声が聞える。

「なんですかこんな時間に。仕事の依頼じゃなかったらタダじゃおかねーぞ……って、多串くん?」

「今何時だっ」

「あ? 0時5分前……」

どうやら間に合ったみてーだ。

ホッとしたら、何故か万事屋は嬉しそうな顔をしている。

どうやら誕生日のためにわざわざ訪ねてきたんだと気付かれたようだし、だったらわざとらしい誤魔化しも不要だろう。

何かプレゼントを、と思っていたが、残り数分では上げられるものなど限られている。

だから、

「……俺と、付き合わねーか」

そう言ってやったら、万事屋はものすごく驚いた顔をしてから笑った。

「ぷはっ、何だそれ、誕生日のプレゼント?」

「…返事は?」

改めて聞かれると恥ずかしくなるだろうがっ!

だからさっさと返事を聞かせろと急かしたら、ぎゅーっと抱き締められる。

「ありがとう。すっげ嬉しい」

ヤッてるとき以外にそんなことをされたのも、こんな素直に喜ばれたのも初めてで、万事屋以上に嬉しかったのは俺のほうだ。

だからこんな情けない顔を見られたくないので、仕方なく抱き締め返してやった。




おまけ

「……おい……何か当たってるぞ……」

「副長さん、これから時間空いてますぅ?」

「ねーよ!今日の出動の報告書を書かなきゃいけねー」

「ええぇぇ。“自分を丸ごとプレゼント”ってイミじゃねーの?」

「違うわぁっ!今更だしっ、もう12時過ぎたしっ、誕生日終わってるしっ!」

「ちぇっ。でもよぉ、このまま帰すとか銀さんの風上にもおけなくね?」

「知らねーよっ!」




おまけのおまけ

「おいっ、いい加減に離せっ」

「…マジで…時間ねーの?」(しゅん)

「……っ……と、泊まらねーからな」

「ガッテン!」


ハピバ、銀さん!


 おわり



ふぅ、昔のネタを書けてよかった。
あいかわらずなんてことない話ですが、ちょっとイチャイチャできたので満足(笑)


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