原作設定(補完)

□その23
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#229

作成:2016/08/26




某所、某ファミレス。

休憩時間に隊服のまま、土方は原田と山崎と一緒に昼食を取っていた。

ふと窓の外に視線をやると新八と神楽が歩いていて、ついついヤツらの保護者の姿を探していたら、原田が話題をその保護者に変えた。

「そういやぁ、万事屋の旦那を吉原でよく見かけるらしいんですよ」

何も知らない原田にとっては、男同士、ざっくばらんなエロイ系の話に持っていったつもりなのだろうが、土方はピクリと顔を強張らせ、山崎は慌ててフォローする。

「いや、旦那はこのあいだの吉原での事件にかかわっていたらしいからねっ」

「あれ以来、夜に酔っ払ってぷらぷらしてたり、最近じゃあ昼間から通いつめらしいですよ。よっぽどいい女がいるんですかね、うらやましいなぁ」

余計な情報を次々漏らしてくれる原田に、山崎は仲の良い友人として……ブッ飛ばしてやりたくなった。

ますます表情が固くなっていく土方に、ひきつった笑顔で山崎は必死に話を反らそうとするが、

「でもっ、旦那付き合ってる人がいるらしいよっ。ラブラブだって言ってましたっ」

「あ〜、じゃあ、心は彼女、身体は百戦錬磨の遊女、なんじゃないか〜?きっと彼女じゃ満足できないんだろ」

原田は嬉しそうにトドメを刺してくれた。

土方のこめかみにガッと青筋が浮き出るのを見て山崎は震え上がるが、

『ひぃぃぃ』

「……用事ができた。じゃあな」

そう言って怖い顔のまま土方は金を置いてファミレスを出て行った。

「? どうしたんだ、副長」

「バカっ、お前っ!」

『副長と万事屋の旦那は付き合ってるんだよ!!』

と叫びそうになるのをぐっと堪える。

これは真選組監査員が抱える秘密の中でも、トップシークレット中のトップシークレットだった。

『協力者がいねーとやりずれーからお前には話しておくが、他の誰かに漏らしたら切腹!!』

そう膝詰め談判で土方に打ち明けられたのだから、絶対に口にはできない。

きょとんとしている原田に、

「……くっ……バーカッ!!」

そう言い捨てると山崎もファミレスを飛び出した。

「……なんだぁ?」

なんて呟きながら原田は首を傾げているだろうが、山崎はそんなことを気にしている場合じゃない。

『副長はきっと旦那のところに問い詰めに行ったんだろうから……えっとぉ……あ!!新八くんと怪力娘の確保!』

新八たちを万事屋に帰らせないために、山崎は二人を追いかけた。




一方、万事屋。土方がファミレスを出て15分後。

ソファでダラダラしながらジャンプを読んでいた銀時は、玄関の扉が開いたが無反応。

チャイムも鳴らさず扉を開け、中に入って閉めたあと、鍵をかける音がしてようやく顔を上げる。

神楽が帰ってきたのかと思ったのだが「ただいまヨ〜」の掛け声もないし、用心のために鍵をかけるような躾はしていない。

「?」

ドカドカ近づいてくる足音に開いたままの扉を見つめていたら、土方が険しい顔で姿を現した。

「土方……どうしたんだ?」

驚きながらも嬉しそうな顔をして立ち上がろうとする銀時のところまでやってくると、土方はその肩を押してソファに素鳴り直すように押し戻す。

そして無表情のまま銀時の腰のベルトに手をかけた。

「? ……え……ちょ……」

ベルトを外して、帯を取り、着物をめくり、上着のファスナーを下ろしたらそれをガバーッと全開させる。

すばやく身体のあちこちに視線を走らせ、

『痕はねーか?……相手はプロだし、そんなマヌケはしないかもしれねーが……』

なんて“証拠”を探す土方だったが、あいにく怪しげな痕は何も見当たらない。

さらにしつこくめくったり触ったりする土方に、銀時はムラムラとしながらもとりあえず、されるがままになっていた。

「……どうしちゃったの、お前……」

「………」

口を開くと喧嘩になってしまいそうで黙る土方だったが、携帯からメールの着信音が聞えて、銀時に見えないように携帯を開いた。


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