原作設定(補完)

□その22
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#217

作成:2016/07/30




「ただいま〜」

「新八っ! 酢昆布買ってきたアルか!?」

「あ…………ごめん」

「忘れたアルか!? 私の酢昆布は三度の飯より大切だっていつも言ってるだろーがぁぁ!!」

「いや、そんなこと言って三度の飯だってちゃんと食べるよね」

「当然アル!! そんなくだらないこと言って話を反らそうったってダメネ!! この罪、命で償うアル!!」

「そんな、なにを大袈裟な……」

ジャキン!

「……って、うわぁぁぁぁぁ!! 危なっ!! ハサミなんか振り回したら怪我するでしょうがっ!!」

「怪我じゃなくて……殺す気ネ!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」



ザーッ パタン

「はぁ、快便、快便。すっきりしたぁ」

ドタドタ バタバタ

「あ? おめーらうるせーよっ。ババアに文句言われ……」

ジャッキン!!

「あ」

「あ」

「あ?」

パラパラパラ……

「……あああぁぁぁ!!? 俺の髪がぁぁぁぁ!!」




ちょーーーん

「お、お前ら、何してくれちゃてんのコレ、どうしてくれんのコレ。こんなに脇を短くしてくれちゃって、“おしゃれカットです“、じゃ通じねーよコレェェェ」

「……すみません……」

「大丈夫アル。こっちだけ短いからおかしいネ。合わせたらカッコ良くなるアル」

「まじでか!」

「まじアル。私がやってあげるヨ」

「ばっ、素人が手ぇ出すんじゃねーよ」

「いいからいいから、任せるアル」

チョキチョキ チョキチョキ

「ホラ、良い感じネ」

「神楽ちゃん、ここ、もうちょっと短いほうがいいんじゃない?」

チョキチョキ

「あ!そこを切ったらこっちがおかしくなるネ!」

チョキチョキ

「え〜、そうするとここがバランス悪くなるよ」

チョキチョキ

「………ちょ……お前ら……」

「大丈夫、任せるアル」

「大丈夫、任せてください」

『嫌な予感しかしないんですけどぉぉぉぉ!?』




20分後。

ちょーーーーん

「…………」

「…………」

「…………」

「……死にます……」

ハサミがキラリ

「銀さぁぁぁぁん! 大丈夫です! 男前です!」

「男が髪ぐらいで死のうとしてるんじゃねーアル(鼻ほじほじ)」

「神楽ちゃん!! もとはと言えば君のせい……」

「新八が酢昆布買ってこなかったのが悪いネ!!」

「君がハサミなんか振り回すからっ」

「新八が大人しく切られてれば良かったアル!」

「なんてこと…………あ……」

とぼとぼ

「……ぎ、銀さん?」

「…………」

ぱたん

「…………」

「………引きこもってしまったアル」

「……どうしよう……」

「ほっとけば髪なんてすぐ伸びるネ」

「でも今日は土方さんが来るって……あ!」



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