原作設定(補完)
□その22
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#212
作成:2016/07/22
腕の中で快楽に震える肩を抱きながら、汗ばむ頬に軽く口付ける。
「…な、もう一回……」
全く収まらない身体の熱に、おねだりしようとしたが、
「……くかーっ……」
土方は余韻のへったくれもなく口を開けて熟睡していた。
「おいぃぃぃぃ!!銀さんまだ一回しかイッてないんですけどぉぉぉ!?」
二ヶ月の間、ほとんど連絡がなかった上での久し振りの逢瀬だというのに、この仕打ち。
耳元で何度も名前を呼んだり、全身を撫で回してみたりしたのだが起きる気配がなく、反応が無いのが虚しくて早々に諦めた。
それに、男前が台無しの目の下のくっきりクマ。
ずっと顔を見るどころか声を聞くことさえままならないぐらい忙しかったのだから、本当なら屯所で爆睡したかっただろうに会いに来てくれた。
「……ちぇっ……」
拗ねて渋々許しながらも、銀時にはやりたかったことがある。
土方の首の下に腕を回し、向かい合わせで布団に寝転んで体を抱き寄せる。
“腕枕抱っこ”というやつだが、起きてる土方にこれをやると、
「暑苦しい!首が痛ぇ!!」
と言って猛烈に拒絶されるのだ。
大人しく“腕枕抱っこ”されてくれている土方に、
「貸しだからな。次に会ったときはアレやコレもしてもらうから覚悟しとけコノヤロー」
そう囁いて体をぎゅーっと抱き締めると、銀時も眠りについた。
寝苦しくて目が覚めると、銀時に腕枕付きでぎゅーっと抱き締められていた。
「暑苦しい!首が痛ぇ!!」
と蹴り飛ばしてやろうかと思ったのだが、昨夜のことを思い返して止めた。
銀時が一回イッたところから記憶がない。
二ヶ月の間、ほとんど連絡もなく放置したのに文句……はあったが怒ることもなく、久し振りの逢瀬に美味い手料理まで作って迎えてくれたのに寝てしまったようだ。
「今までおあずけだった分、がっつりやらせてもらうからな!」
「わかった」
なんて言っておきながら、自分は一通りやってもらったところで寝オチとかあまりにも酷い仕打ちだ。
すっきりしていたせいか、たぶん1時間ぐらいしか寝てないのに熟睡した気分だった。
抱き締めて寝ている銀時を見ると、思い込みかもしれないが満足して嬉しそうに見える。
ここは起すのもかわいそうかもしれない、と勝手に解釈することにした。
もぞもぞと寝苦しくないように微調整してから“腕枕抱っこ”されたまま、
「借りといてやる。次に会ったときはアレもコレもソレもしてやるから勘弁しろコラァ」
そう呟いて体をぎゅーっと抱き締めると、土方は再び眠りについた。
おわり
あれ、思ったより短いな(笑)
でもものごっさイチャイチャしたでしょ?
ずっと裸だし、布団の中だし……事後だけど(笑)
相変わらず砂吐きもののバカップルですみません。