原作設定(補完)

□その19
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「だから土方さんと知り合ってそうな子に片っ端からキスしてもらうしかねーんじゃねーですかぃ?」

「だけどなぁ、そんなことしたらトシが眠りっぱなしだってのがバレるし……」

「でも局長……もうそれしか方法が……」

などと真剣に話す三人に、銀時もこれ以上黙っていることができなくなった。

「お前ら、こんなことになってるならもっと早くに俺に言えよな」

「え……旦那、もしかして土方さんの好きな人、知ってるんですか?」

「まさかお妙さんじゃないだろうなぁぁ!!」

「それはねーですぜぃ。あんな怖い女を好きになるヤツはゴリラしかいないって言ってやした」

「どういう意味だぁぁ!トシぃぃいい!!」

緊張感ない近藤は放っておいて、銀時はベッドで眠る土方に近付いた。

夢と同じく可愛い顔で寝ている。だが、夢と同じく起き上がってくる様子はないので銀時からするしかなさそうだ。

「よ、万事屋?」

銀時に漂うよこしまな空気を察したのか、近藤と山崎に動揺が走る。沖田は面白がっているようだ。

念のため、ごめんな、と心で謝罪すると銀時は土方に唇を重ねた。

背後で声にならない叫び声が聞えたような気がしたが、かまわず初めて触れる唇を堪能していると、ゴツッと腹を殴られた。

身体を離すと、閉じていた土方の目がゆっくり開き、眉間にシワを寄せ、

「遅ぇ」

なんて色気のないことを言うので、銀時は嬉しそうに笑った。

「ちゃんと言ってくんなきゃ分かんねーでしょうが」

夢の中でキスを迫ったのは“こうして欲しい”というメッセージだったらしい。

どうせならちゃんと事情を説明して欲しかったのだが、そうできない理由があった。

「意識ははっきりしてたんだけど声が出せなかったんだよ。ああすればお前ならムラムラして探してくれると踏んだんだ」

「失礼なこと言うなぁぁ!心配して探したんですぅぅ」

「そーかよ」

「大事な初キッスをこんな風に済ませやがって。仕切り直し……」

と抱きつこうとした銀時を土方の腕が押し止める。近藤たちが呆然と見つめているからだ。

恥ずかしさとか申し訳なさとかいろいろ混じった顔で、土方は近藤たちに言った。

「というわけで、コイツと付き合ってるから」

「……あ……はい……」

ようやく土方が公にしてくれたことに銀時は喜んでいるし、土方も銀時が喜んでいることを喜んでいる……ように見える。

なので何も言えなくなってしまった近藤たちだった。



 おわり



はい。“眠り姫”な乙女チック話でした(笑)
なんとなーくで考えた話は、なんとなーくで終わるのでした。
最後に何かあった気がするけど、思い出せない…あれぇ…


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