原作設定(補完)
□その16
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#153
作成:2015/11/26
久し振りの逢瀬だというのに、土方くんが隣に座ったまま難しい顔をしております。
話しかけても「ん」とか「おう」とか、心ここにあらずな返事しかしないし、煙草ももう8本目です。
ゆっくり二人で会えるのは2週間ぶりなのにひどくね?
まーね、中間管理職ならではの苦労も悩みもあるの知ってるし、だから甘えさせてやろうと思って手を握っても振り払われるんですけど。
早くイチャイチャしたいんだけどなぁ。
「……土方く〜ん、どうしたの?」
って聞くのももう5回目だけど、また無視されるのかと思いきや、難しい顔のままチラリとこっちを見た。
お?何か話す気になったみたいだ。
「なに?」
「……おまえ……」
「うん」
「………ここで、チャイナと二人で暮らしてんだよな」
「あ?そうだけど…」
「………メガネは通いで夜はいねーんだよな」
「たまに泊まることもあるよ…………それが?」
今更うちの家族構成というか従業員構成というか、そんなものなんで確認してんですか?
眉間にシワ寄せてムッツリしてるし。
「………土方くん?」
「………おまえ……チャイナのこと……どう思ってるんだ……」
「…どうって……大飯食らいのクソガキ?」
「あとは」
「手癖と足癖と口の悪いクソガキ?」
「ほかには」
「んー、寝相も悪いし、寝起きの顔は最悪?」
「……寝相……」
「このあいだも眠れないとか言って寝てる俺の上を転げまわるわ、布団取られるわ……あんなんじゃ年頃になっても嫁の貰い手は…」
ついつい日頃の恨み辛みの愚痴になっちゃったけど、気付くと土方くんはさっきよりもっとむすっとした顔になってる。
なんか怒ってる?自分で聞いといてなにそれ。
だいたい久し振りに会えたのになんで神楽の話なんかしてんですかね?
あんな色気のないガキの生態を気にしたってしょうが……あれ?神楽が気になんの?……で、怒ってるってことは……
「…………ああ!? いやいやいやいや、銀さん子供には手ぇ出さないよ!?」
「…でもよ、男の身体でいいなら子供でもいけんじゃねーの」
なにそれっ、自分と比べてんのっ?そりゃ“つるんぺたん”なのは同じだろうけどっ。
「…怖いこと言うなよ。全然違うだろーが。それに女だったら“ぼん・きゅっ・ぼん”が良いですぅ」
「……ふ〜ん……」
拗ねたっ!超可愛いっ!!
「…おまっ、可愛い誘導尋問はやめてくんね?」
自分で話をそっちに持っていっておきながら、うっかり本音を言えば拗ねるとか、どこでその小悪魔戦法学んできた!?
きっとどこぞのドS王子にでも余計なこと吹き込まれて、悶々と悩んでたんだろう。
全然こっちを見ないのでふて腐れるほっぺたをつつねってやったら、
「…んだコラァ」
赤くなりながら毒づくから銀さんもうメロメロでっす!
拗ねる土方>“ぼん・きゅっ・ぼん”、だってこと、しっかりじっくりたっぷり教えてやろうと思いました。あれ、作文?
おわり
なんか短いネタがなかったかなぁと探したら、こんなのが出てきました(笑)
神楽をダシにノロケるだけの二人の話でした。
土方がずっと怒ってるだけでも可愛いと思っている銀さん。超可愛い(笑)