原作設定(補完)
□その15
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#147
作成:2015/11/16
夜、居酒屋
「あれ、副長さん。一人で珍しいんじゃね?」
「………」
「んな怖えー顔しねーでも(笑) あいさつしただけじゃん」
「……だったらなんで当然のように隣に座ってんだよ」
「まあまあ、せっかくなんだし一杯ぐらい一緒に飲もうや」
「……ふん……」
「親父ぃ、ビール。あとなんか甘いモン」
「あいよっ」
「んで?どうしたの?暗ぇ顔して」
「……一人で明るくしてるほうがおかしいだろ」
「いやいや、酒は楽しく飲まねーとさー」
「てめーが居なきゃもっと楽しいんだよ」
「酷っ。つーか……なんか悩みごと?」
「……なんでだよ」
「だって、そんなに飲んでんのに酔ってなさそうじゃね?難しいこと考えてんじゃねーの?」
「………」
「仕事の悩み……じゃねーよな。おたくのコたちが問題児ばかりなの、今に始まったことじゃねーし。そしたら……色恋系?」
「………」
「まじでか。鬼の副長さんでもそんなことで悩むんだ」
「……てめーには関係ねー」
「イケメンで高給取りな副長さんの恋の悩みって何かなぁ。あ、そんな仏頂面してるから怖いって言われたとか?」
「………」
「じゃなかったらぁ、全然気持ちを言ってくれなくて“私のことどう思ってるの!?”とか言われた?あ、仕事仕事で“私と仕事、どっちが大事なの!?”って言われてキレたんじゃ……」
「てめーには関係ねーつってんだろっ!!!」
しーん(注目の的)
「いやん、多串くん、大声出しちゃ。すみませ〜ん、ちょっと酔っ払っただけなんで、おかまいなくぅ」
「………」
「……つーかさ、1時間前にデートの約束ドタキャンされた俺には聞く権利があるんじゃね?」
「……な……」
「二週間ぶりで会えるのを昨日の夜から楽しみにしてたのにドタキャン。仕事だっていうから仕方ねーとぐっと我慢して自棄酒に来てみりゃ、仕事のはずの多串くんがいるし?そりゃあ、銀さんだってカラミたくなんでしょ」
「………」
「んで?俺と付き合ってんのに、ほかにどんな色恋の悩みがあるんですかコノヤロー」
「誰と誰が付き合ってんだよっ!!」
しーん(注目の的、再び)
「…多串くん?…」
「っ……親父、おあいそ。釣りはいらねぇ」
「ちょっ……待っ………親父、俺もっ。釣りは、い………る!」(貧乏だから)
「多串くんっ!!ちょっと待てって!」
「離せっ!!」
「離しませんっ」
「……っ」
「………えっと、さっきの…付き合ってない的な発言、何?」
「付き合ってねーだろーがっ、いつそんな話したよっ」
「………あー……でもキスも、エッチもしてるよね……」
「………」
「付き合ってないのに何度もエッチできるんだ……多串くんって、意外とスレてんだね……」(照)
「……な……」
「銀さんは最初にしたときからずっと付き合ってるつもりだったんだけどなぁ。ああ、だから好きだとか言ってくれなかったんだ」
「………てめーだって……してるときにしか言わねーだろーが」
「え、オシャレなレストランでバラの花束持って告白されたいタイプ?……多串くん、スレてんのか乙女なのか、はっきりしてくんね?」
「う、うるせぇっ!」
「じゃあドタキャンの理由は、付き合ってもいねー俺と会ってまたエッチになんのが複雑だから?」
「……っ……」
「……………ふっ、ふふふふっ、くくっ」
「てめー……」
「多串くん……すげーかわいいっ」
ぎゅーーーっ
「…かわっ………は、離せコラァ!!」
「じゃあ改めて言うよ。多串くん、ずっとすげー好きなんだ。俺と付き合ってください」
「………っ………こ、断るっ!!」
「お約束っ。んな真っ赤な顔で言われたって説得力がな…………あれ?ちょっと、尋常じゃなく真っ赤なんですけど?」
「…へめーがおこらへるはらほれひれはれ〜〜〜」
「わぁぁあああ、多串くんんんんんん!!!」
「……ん………??……ここ、どこ……」
「すー、すー」
「……万事屋……」
『……ああ……いくら飲んでも酔わないと思ったら、急にドカンときて……』
“多串くん、ずっとすげー好きなんだ。俺と付き合ってください”
「……っ………だ、誰がてめーなんかと………」
ぎゅーーーーっ
「……てめー、なんか……」
『素直じゃないだけで好かれてるんだと思ったけど、まさか信用されてなかったとは。………ま、いいか、そんなとこも全部可愛いから』
おわり
んー……何か書きやすいのはないかとメモを探したたら出てきたんですけどね……
改めて書くような話じゃなかったなぁ……いつも同じようなの書いてるんだし(笑)
乙女な土方ってのも好みです……つーか、私の従来の受キャラはみんなこんな感じなんですけどね……