学園設定(補完)
□逆3Z−その2
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そして放課後。数学教化室にやってきた土方を待っていたのは銀時ではなく、高杉たちだった。
昨日あんな話をしたばかりだったので、難しい顔をしている三人にちょっと動揺する土方。
「……ってことを銀時が言ってるけどマジか?」
早朝の宣言と、その後の休み時間、昼休みに高杉たちのところへやってきては不満ばかり言っていた銀時のことを話してやった。
たぶん今頃は高杉たちを探してクラス間をウロウロしているに違いない。
土方が気にしていることを察して銀時が行動してくれたのは嬉しいが、それをそのまま言ってしまったら友達として面白くないのは当然だ。
「それは…」
どうフォローするのが良いのだろうと躊躇う土方に、思いも寄らぬ言葉が帰ってきた。
「マジなんだったら、余計なこと言ってんじゃねぇよっ!!」
「……え?……」
「今のアイツは超ウゼェェェェんだよっ!鬱陶しいんだよっ!!」
先生相手にタメ口でキレる高杉に、動揺していると桂が説明してくれた。
どうやら銀時は、何かに夢中になると高杉たちにそれを熱心に説きまわる癖がある、らしい。
今まではゲームとか漫画とかテレビ番組とかだったので一緒に楽しんでいたが、土方のノロケ話だけは付き合いきれない。
今日の様子からもその熱はまだ冷めていなさそうだし、放課後に一緒に遊んだらどんなことになるか考えただけでもうんざりするため、こうして土方に直談判に来たようだ。
「一緒に遊んでやれとか逆に迷惑だから!!落ち着くまで責任もってあんたが犠牲になってろよ!」
「……いつ落ち着くんだ」
「おそらく三ヶ月くらいだと思う」
付き合い始めてから二ヶ月。あと一ヶ月は人身御供にならないと高杉達が困るらしい。
ため息を付こうとして、今の話でちょっと引っかかることがあった。
「……三ヶ月過ぎたら……飽きるのか?」
自分で口にしておきながら胸がぎゅーっと痛んだ。
絆されて付き纏われて仕方なく付き合っているのだと思っていたが、いつのまにか居なくなるのがこんない苦しくなっていたなんて。
しかし土方の不安は笑い飛ばされる。
「がっはっはっはっ、心配ないきに。落ち着くだけで好きなのは変わらんぜよっ」
「うむ。同じゲームを何度も今でもやってるし、漫画も捨てられないし、視聴率が悪くて終わった番組に心底がっかりしてたな」
「しつけーんだよ、あいつはっ」
「……そうか……」
それを聞いた土方が小さく笑うのを見て、高杉たちはほんのちょっとだけ“銀時のノロケ”が理解できた。
その後、高杉たちから「土方はやっぱり銀時が居ないと寂しいらしい」とか聞いた銀時は、今までのように……今まで以上に土方にべったりするようになった。
面倒くさいと思いつつ、これが無くなったら本当に寂しくなるんだろうと思うと、複雑になる土方だった。
おわり
突然の逆3Zでした。
メモの日付が4月だったので、半年以上も経つなんてすげー(笑)
3Zだと二人がべったりとか無いので、逆3Zはその分、銀さんが土方にメロメロになりますね。
高杉たちも、3Zと同級生ではあまり出番ありませんが、逆3Zなら当然つるんでます。
ちょっと楽しかった。