原作設定(補完)
□その14
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#134
作成:2015/10/10
「突然ですが!今日は銀さんの誕生日なんだよねー」
銀時に無理矢理取らされた非番の日、ソファに座ってくつろぎ体勢の土方に、隣に正座した銀時がそう言った。
土方はカレンダーを見て、こいつにも誕生日があったんだなとか、だから到着早々ガキどもに財布を強奪されたんだなとか思った後、新聞を広げながら答える。
「ふーん、おめでとう」
感慨も興味もなさそうなその言い方に、銀時は新聞をガッと掴んで後ろにポイッと投げ捨てた。
「おいっ、てめー…」
「プレゼントくれませんか?」
「あ?」
土方の露骨に嫌そうな顔には“いい年した大人がなに言ってんだコラァ”と書いてあったが、銀時は負けてはいられない。
「先月末でドタキャン50回になったよね、土方くん」
土方は出かかった言葉を詰まらせる。
今日の切り札に使うためにあの時文句を言わなかったのだろう。
不満そうな顔で土方は問いかけた。
「………何が欲しいんだよ」
「膝枕」
満面の笑みで答えた銀時のベタなお願いに、ちゃんと聞えてはいたが思わず聞き返してしまう土方。
「……あ?」
「ひ・ざ・ま・く・ら。はい、足出してっ」
「してやるとは言ってねー。だいたい、オチは見えてんだろうが。男のひざまくらなんて固くて気持ちいいもんでもねーだろ」
「それでも膝枕がいいんだもん」
「だもん、じゃねー……他にねーのかよ。甘いモンとか……甘いモンとか、甘いモンとか」
「それは新八たちが買ってくるからいい」
「俺の金でだろーがぁぁ!!」
金を奪われた挙句にそんな恥ずかしいことをさせられてたまるかと思ったのだが、
「エロい系のお願いならいくつかあるけど」
「………」
もっと嫌なことを言われた。
眉間にシワを寄せて難しい顔をしている土方に、銀時は唇を尖らせて、
「ほら、早くしねーと新八たち帰ってきちゃうよ」
「……チッ……」
焦らすようなことを言ってみたら、土方は舌打ちして難しい顔のまま、膝に乗せていた手をどけた。
がら空きになった太ももに銀時は本当に嬉しそうに笑う。
『やってくれちゃうんだもんなー。超可愛い』
いそいそとソファに横になると銀時は念願の膝枕を体験した。当然だがゴツゴツした感触しかない。
「……どうだ。堅てーだろ」
「うん。“枕”っていうより“膝”だよね」
「分かったらもうどけ」
「まだ嫌ですぅ」
それでも土方の足だと思えばそのゴツゴツも愛おしく、撫でたり頬ずりしたり匂いを嗅いだり堪能したみる。
銀時が嬉しそうなのでその気色悪いのも我慢した土方だが、やはり恥ずかしさも加わって早々に終わらせて欲しいと思うのだが、
「………」
「んふふ」
「………もういいだろ」
「まだまだぁ」
「いつまでだよ」
「俺が飽きるか、新八たちが帰ってくるか、首が痛くなるまで」
まだまだかかりそうだと溜め息をつく。じっとしているのは暇なのだ。新聞は放り投げられてしまったし、テレビのリモコンも届かない。
何かないかとあたりを見回したとき、視線を落とした先に銀時のもふもふっとした頭があった。
触ると嫌がられるのであまりもふもふしたことがないのだが、今なら銀時も動かないし触れるかもしれないと、右手をもふっと髪に埋めてみた。
銀時が怒らないのでもう一度もふっ。再度もふっ、もふもふっ、もふもふっ……
気に入ったのか熱心にもふもふしている土方に、銀時は『やっぱり可愛いなぁ』と思いながら太ももを堪能するのだった。
外は良い天気のため、ぽかぽかと暖かい万事屋の午後。
(土方の金で)買い物を済ませ帰宅した新八と神楽は、リビングの入り口で立ち尽くしていた。
土方に膝枕をしてもらって頭をもふもふされながら寝ている銀時と、銀時に膝枕をさせて頭をもふもふしながら寝ている土方。
「……バカップルってマジうぜーアル」
「そうだね」
冷静に痛烈にそう呟いた子供たちは、邪魔しないようにお祝いの準備をするため台所へ引っ込んであげた。
エロいおまけ
「で?何が欲しいんだよ」
土方が改めてそう聞いたのは深夜、布団の中。
「…え?」
「エロい系のお願いがいくつかあるんだろ。してやるよ」
銀時は心の中で『まじでか!!』と叫んでしまった。
「え…あの……」
「早くしねーと日付変わっちまうぞ」
「ああっ、えと、じゃあ、○○○○してほしーです」
↑○○○○には好きなぷれいを当てはめてください。
「……わかった」
自分から言い出したので引けずに赤くなりながら、前菜に土方からのキスがゆっくり、そのあとのねっとりメインデッシュに銀時悶絶。
『うきゃぁぁあああ!土方超エロ可愛いぃぃっ!俺、明日死ぬのかもっ!!』
銀時のための“エロいおまけ”でした。
おわり
超イチャイチャしましたね!
銀さんの誕生日のお祝いにはなったんじゃないでしょうか。
こうやってバカップルなやりとりをずっと続けて欲しいと思うのでした。
頑張るよ、私も(笑)