原作設定(補完)

□その13
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#123  2015/09/03


ネオン輝く夜のかぶき町。

週末ということもあって賑わう往来で、着物姿でう○こ座りをし深々と溜め息をつく……銀髪天パーが一人。

「はぁぁぁぁ」

そこはかまっ娘クラブの店先で、かわいい柄の着物とツインテールのパー子はしょんぼりしていた。

書き入れ時に人手不足とかで依頼されたのだが、この仕事自体に不満はなかった。

給料は良いし、酒は飲めるし、こんな店だから酔っ払い親父のセクハラもないし、おまけに最近では若い娘も客としてやってきたりする。

土方に会えない寂しさを酒で癒してやろうと、家を出る前までは張り切っていたのだ。

パー子の悲嘆の原因は、その直後に訪れた。




銀時は万事屋の台所で顔を洗って歯を磨き、これから客商売だとにっこり笑顔の練習なんかしてしている自分に苦笑いをする。

今日は呑むぞ!!と気合を入れて台所を出ると、リビングから神楽の話し声が聞えてきた。

覗くとデスクの前で電話を片手に話をしている。

「銀ちゃんはこれからバイトアル」

『依頼か?』

明日も仕事が入ってくれれば助かるなぁと考えながら部屋に入ろうとしたとき、

「……分かったアル。お前もしっかり働けよ、税金泥棒」

そう言い捨てて神楽は受話器を置いた。

「………!!!? 神楽ちゃん!?今の誰っ!?」

「ニコ中アル」

「なんで切っちゃうのぉぉおお!!」

「銀ちゃんこれからバイトネ」

「そ、そうだけど」

「うちにはもう米もないネ。それともニコ中に米買ってもらうアルか?」

「………いってきます」

神楽のツッコミは銀時の痛いところを的確に突いてきて何も言い返せなかった。




…というやりとりがあったせいで、パー子はしょんぼりしているのである。

『せっかく土方から電話してきてくれたのにっ、三週間ぶりの電話だったのにっ、ちくしょぉぉぉおおおお!!!』

地面にぐりぐりと指で穴を掘りながら溜め息をつくと、隣で呼び込みをしていた化け物が腰をくねらせて口を尖らせた。

「ちょっとぉぉぉ、パー子ちゃん、しっかり呼び込みしてよっ」

「うるせー、俺は超落ち込んでるんですぅ、ほっとけコノヤロー」

「んまっ、こわぁぁい! それに大股開いちゃってはしたないわよっ」

「顔面がはしたないヤツに言われたくねーよ」

「失礼ねー! ちゃんと働かないとママに言いつけちゃうんだからっ!」

「……ちっ……」

野太い声のおっさんとこれ以上不気味な会話を続けたくない。そのうえ給料を貰えなかったのでは大損だ。

パー子は「よっこらせっ」としぶしぶ立ち上がる。

呼び込みをしている間は酒が呑めないし、自棄酒を浴びるためにはさっさと客を引っ掛けて中に入るしかない。

開き直って思い切りカワイイ(つもりの)笑顔を振りまいていると、シケタ顔をしたおっさんが歩いてきたので、

「おにぃさ〜ん、サービスするから寄ってって〜」

と声をかけたら、さっと顔を反らして逃げてしまったおっさん。その後ろから、とっても好みのイケメンが現れた。

今度はパー子がさっと顔を反らして逃げようとしたのだが、襟首を捕まれて引き戻される。

「サービスしてもらおうか」

「……い、いらっしゃ〜い」

怖い顔をした土方に睨まれて、パー子はヘラッと笑うしかなかった。



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