原作設定(補完)

□その11
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夜遅くの万事屋。

今夜はチャイムを鳴らして訪ねてきた土方を、銀時がいつもの調子で出迎える。

「いらっしゃい。もう二日酔いは平気かよ」

昨日の皮肉も込めてそう言って銀時は笑う。

いつもと同じはずなのに、あの告白を聞いた後だからまた胸が苦しくなりそうだ。

来訪は予告されていため神楽も居ないしテンション高めの銀時に対し、土方は今まで見たことがないぐらいに暗い。

「……どした?やっぱりまだ酒が抜けてねーのか?」

心配そうに聞かれてきゅんとしてしまうのを隠し、土方は持っていたレジ袋を差し出す。

「土産」

「まじでか」

そんなことも今までなかったが、昨日のことを反省しているのかもしれないと受け取り、銀時はさっそくテーブルの上に並べた。

「おお、プッ○ンプリンじゃねー……か、って……おい……なんでこんなに……」

次から次へと出てくるプッ○ンプリン。テーブルに並んだ数は10個。

そこで銀時の背中に嫌な汗が流れる。“プッ○ンプリン10個”は覚えがあるフレーズだ。

向かいのソファに座った土方をチラリと見ると、顔を反らして難しそうな顔をしている。

「……あの……土方くん? なんで10個なんですかね……」

まさかあんなにしっかり酔いつぶれて眠っていたのに覚えているのかと思ったとき、土方が申し訳なさそうに呟いた。

「……実は……昨日、仕事帰りでそのまま飲んだ後だった……」

「うん?」

「俺も潜入捜査で敵地に入り込んでて……………服に…隠しマイクが、ついてた……」

ぺりぺりとプリンの蓋を開けていた銀時の手が止まる。

「……マイク?………そのまま飲みに?……………じゃ、何か…聞いたのか?」

「……何か……と、いうか…………録音されてた」

プリンは銀時の手を離れ床に落ちて転がり無残な姿になっているが、もちろん銀時にはそれどころじゃなかった。

「おまっ!それじゃ、お前だけじゃなく他のヤツも聞いたってことだろうがぁぁああ!!」

恥ずかしい。昨夜の自分を思い出し、アレを他人に聞かれていたのかと思うと恥ずかしすぎる。

真っ赤になって雄たけびを上げながら頭を抱える銀時に、土方が声を振り絞るようにして言った。

「…悪い………お、俺も、好きだから許してくれ……」

「許せって、おまっ……………あ?」

ようやく顔を上げた銀時は、相変わらず横を向いたまま顔を真っ赤にしている土方を見る。

まだ酔ってんのか?なんて思ったが、膝の上に置いた手が指先が白くなるぐらいぎゅっと握り締められていて、それだけで必死さが伝わってきた。

「まじでか」

本気なのは分かっているのについ口をついてしまった銀時の言葉に、土方はちょっと眉を寄せる。

「…こんなこと冗談で言えるわけ…」

茶化されたのかと思ったのだが、言い終わる前に銀時が立ち上がったのが視界の隅に見えた。

そしてそのままテーブルを回り、顔を反らしたままだった土方の目の前にストンと腰を下ろす。

気まずくて照れくさくて顔を見れずにいたのに、銀時のほうから寄ってこられてしまい、うろたえて変な顔をしている土方に銀時は嬉しそうに笑った。

「違う。……すげー嬉しい」

そう言ってそのまま抱き締められる。顔も見えないぐらいしっかりと密着しているが、痛いぐらいのその腕の力に銀時の気持ちが伝わってきた。

夢なんじゃないか、力を弛めたら消えてしまう幻なんじゃないかと思ってる。昼間、銀時の告白を聞いたときの自分と同じように。

『こんなに考えてることお見通しなのにお互いの気持ちだけ分からねーとか……バカさ加減まで同じなんだな』

土方も逃げられないようにしっかりと抱き締め返した。



その夜。

何度も繰り返した行為なのに、やたら恥ずかしがる土方を面白がる銀時と、銀時が楽しそうなのでそれが嬉しい土方で、甘いだけの時間が静かに流れていった。






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あはははははっ。
ほらね、恥ずかしいでしょ!私がっ!!(笑)
甘くしようとすると恥ずかしいんですよ。私が(笑)
この2人がいつまでもバカップルでいられるように頑張ります。



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