原作設定(補完)

□その11
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逃げ出したいほどの醜態を晒したのに、土方はこの状況が嬉しくて胸が苦しい。

得体の知れないにくたらしいだけのこの男が気になり、それが好意なのだと自覚してから長い間それを必死に隠してきた。

叶うことがない想いなのだから、近づかず離れず、ずっと抑えてきた。

それがいろいろな要因(銀時の周りにたかる女とか女とか女とか)のせいで、昨日は一人自棄酒を食らってしまったのを思い出す。

だからこのまま寝てるなんてできるずもない。

裸で抱き合いドキドキしている自分を知られるわけにはいかないし、銀時が平然としているのも辛い。

『俺が女だったら……このままヤッちまって、自然と付き合ったりできんのかな……』

そんなことを考えてしまい、これ以上この状況が耐えられないと身体を起そうとしたとき、

「……いや、俺はもう、かえ……」

土方に触れている銀時の腕、胸、腹、足……それから何やら堅いモノ。

自分も男なのでソレが何なのか即座に察知して、再び顔を熱くすると激しくうろたえてしまった。

「て、てめっ……せ、背中……な……当たって……」

しかし銀時はいつものへらっとした口調で答える。

「あー……悪い、生理現象だから、気にすんな」

「き、気にす……んなって……てめ……」

心臓が爆発するまえに逃げ出さなければならないのに身体が動かない。

こんなにドキドキしているのを知られるわけにはいかないのに、そう思ったとき、あることに気が付いた。

『………なんで、コイツ……こんなんなってんだ?……』

「……てめー……なんで……」

土方が言いにくそうにしていることを銀時は察してくれたようで、

「ずっと我慢してたんだけど、お前が可愛い反応するから仕方ないんですぅ」

我慢?可愛い?

銀時から聞けると思っていなかった言葉を聞いて、余計に動揺した土方は深く考えずに思いついたことを言ってしまった。

「何、言ってんだ、てめー。俺相手にアホじゃねーの。だいたいてめーが我慢とかするタイプかよ。酔った勢いで据え膳食うのがてめーらしいだろうが」

「……お前ねぇ……」

呆れたような声を出す銀時に土方は我に返って胸が痛くなるが、それはすぐに銀時の告白が消してくれる。

「酔った勢いなんて、相手に多少でも好意がなけりゃ許されねーだろうが。怒らせて顔も見れなくなるとか……ずっと好きだったやつにできるわけねーだろ」

「………………………」

「あのさ、なんか言ってくんない?めっさ恥ずかしいんだけど」

頑張ってシレッと正式な愛の告白をできたと思ったのに、何の反応も示さない土方に銀時のほうがいたたまれなくなってきた。

しばらくしてから土方が呟く。

「……だったらヤッときゃよかったんだ……」

「……………………」

「て、てめーもなんか言えやぁぁぁああ!」

長い沈黙で銀時が考えたのは、“やっとけばよかったんだ”→“やっても許してくれた”→“多少でも好意がある”というフローチャート。

「まじでか」

「……」

土方は答えなかったが、真っ赤に染まった全身が肯定してくれた。

その途端、銀時と、銀時の銀時が大暴走………したかったのだが、

「じゃ……じゃあ、し、しちゃっても、いいかな……なんて……」

「……あ、ちょ……いま何時だ?」

「……5時」

しょんぼりな予感。

「帰んねーと…」

「……だよな」

いい年の大人2人がウブ(?)なやりとりをしているうちに時間はだいぶ過ぎてしまったようだ。

よく考えれば外出したまま戻らない土方は自分が口うるさく言ってる局中御法度に抵触するわけで、夜が明けきる前には帰りたい。

「……悪い……」

銀時と、銀時の銀時の気持ちを察してか、ものすごく申し訳なさそうな顔をする土方に、銀時は吹き出す。

「ぷはっ、いいよ、別に」

銀時が腕を離すと土方はベッドから抜け出して、視線を感じるせいか慌てて干してある着物を羽織った。

まだ湿ってはいるが熱くなった身体を冷やすのに丁度いいかもしれない。

急いで帰ろうとする足をドアの前で止め、

「……また、今度…な……」

そう恥ずかしそうにそう言って逃げるように部屋を出て行く。

残された銀時は、その可愛らしさにベッドを転げまわって悶絶するのだった。





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あはははは。
ここでエロにいかないなんて銀土の風上にもおけない私ですみません(笑)
裸でずっとベッドの中で抱き合ってるシチュで何もせずに終わる。
どんだけヘタレなんだ、うちの銀さん(笑)


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