原作設定(補完)

□その11
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「………やめろ…もういいっ」

土方は頬に優しく触れた銀時の手を振り払い、立ち上がるとカツラをソファに投げ捨てた。

「罰ゲームなんじゃねーの?」

“かわいい”、“女に見える”

『それは俺に対する評価じゃない。俺にするんじゃないなら意味がない』

「……厠掃除したほうがマシだ」

テーブルに置いた上着などまとめて掴み、玄関に向かいながらスカーフでリップを拭った。

自分がどれだけ馬鹿なことをしたのか、銀時相手に真面目になるのがどれだけ無駄なことなのか。

身にしみながら靴を履き、外へ出ようと扉に手をかけると、

「土方」

追いついてきた銀時が扉を開かないように押さえた。

文句を言ってやろうと振り返った身体はそのまま押さえつけられ、開いた口にそのまま唇を重ねられる。

「!!」

逃げようとしても押し返そうとしても銀時の身体は動かない。

とても罰ゲームとは言えないほどの濃厚なキスを繰り返され、土方は呼吸をするのも忘れ手足にも力が入らなくなってきた。

「……ふっ………んんっ……」

苦しそうな土方に気付いたのか銀時が唇を離すと、ようやく息ができるようになって荒く呼吸する土方。

そこに、さらに数回軽く口付け、

「言い訳思いついたらまた来いよ」

そう囁くと、銀時は扉を開け、呆然としている土方の肩を押して外へ出すと、そのまま扉を閉めた。

「……………」

この数分間の出来事を土方脳で素早く解析した結果、

『あいつ…最初から全部分かってて…』

からかわれたのだ、と気付いた瞬間、扉を蹴り上げていた。



幸い破損せずに済んだ扉一枚隔てて、土方が乱暴な足音を立てて帰っていくのが分かって銀時は苦笑している。

「かわいっ、なんだアレ。バレバレだっつーの」






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やっぱり原作設定は楽しいなぁ(笑)
うちの銀土には珍しく、ヘタレじゃない銀さんです。
漫画で読みてっ、自分の絵じゃなくっ(笑)
カツラの土方も、ちゅーも、ワタシの頭の中では「うきゃーっ!」って感じになってるんですが
文章では表現しきれなくて残念です。はい。


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