原作設定(補完)

□その10
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携帯のアラームで目を覚ました土方だったが、なかなか意識をはっきりさせることができない。

それというのも、昨夜はテロによる爆破事件だと真選組を出動させたのに、一般人による事故のようなものでムダ骨を折らされたのだ。

真選組が発足してから一ヶ月。新参者イビリと言わんばかりに扱き使われている真選組だが、今はそれを甘受するしかしょうがない。

今にみてろと踏ん張りながらも、イライラは収まらずあまり眠れなかった。

「………」

しかし、遅刻は切腹という局中ご法度を自ら作ってしまったため、寝惚けながらも起き上がり隊服に着替えようと押入れを開ける。

重い目をうまく開けられないまま隊服を手に取ったが、違和感。

「ん?軽い?」

ようやくパッチリと目を開けた土方が目にしたのは、ハンガーにかかかった隊服のシャツ、ベスト、スカーフに上着、それと例のミニのプリーツスカートだった。布が少ない分、軽かったようだ。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、総悟ぉ…」

処分したはずの制服を副長室に忍び込んで押入れに入れた犯人は沖田しかいないと決め付けて、ギリギリと奥歯を噛み締めた。

押入れを見たら普通の隊服も残っていたので、持っていたミニスカ隊服を乱暴に戻そうとした手が、止まる。

「……………」

鬼の副長と早速呼ばれるようになった土方でも、年頃の男である。誰も見ていないとなればミニスカに興味がないこともないこともないこともない。

隊服をじっと見つめたり、誰もいないと分かっているのにキョロキョロしてみたり。

そしてようやく行動に出てみた。

シャツを着てベストを着てスカーフを締め上着を着る。そしてひらめくミニのプリーツスカート。

姿見でその姿を映し、ミニスカから出ている男の素足が我ながら気持ち悪いと思った。

「………………ないだろ、これ。あいつら頭おかしいぜ。目か?」

愚痴りながらスカートの裾を捲ってみる。女はこんなものを穿いて生活できるんだからすごいな、なんて思ったりした。

だが会議の時間まであまりないこと気付き、土方は素早く通常の隊服に着替えて、ミニスカを押入れの中に放り込んで副長室を出て行く。



開いたままの押入れの奥で、何かがキラリと光った。




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