原作設定(補完)
□その10
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#98 2015/07/15
「副長、失礼しま……うわっ!ゴホッ、ゴホッ!副長〜っ、ちゃんと換気してくださいよっ!」
「………」
「あ〜あ、そんなに吸って……身体に悪いですよ」
「……何の用だ」
「はい。昨日頼んだ書類なんですけど……」
「あ?………………まだだ」
「えええっ!?」
「………」
「や、まだ時間はあるんでいいんですけど、珍しいですね……ずっと部屋に篭もってるのに……」
「………他に用は?」
「……ありません、失礼します。(…仕事も手に付かないほどならさっさと仲直りすればいいのに…)」
「何か言ったか?」
「(ひいっ!心を読まれた!?)いいえっ!!!」
「………ちっ」
顔に書いてあるんだよ、バカ山崎。
………バカは俺か。
喧嘩の理由なんて覚えてもいないほど些細なことだった。
どっちかがちょっと引けば、何事もなかったように酒飲んで、気持ちよく酔っ払ったらアイツん家かホテル行って……
そんないつもどおりの休みになるはずだったのに。
俺達はいやなところばかり似ている。……そう言ったのは総悟だったか山崎だったか。
分かってる……だから、きっとダメなんだ。
気が合いすぎていて、合わない。
背中合わせで隣に立っているみたいだ。一番近くて、一番遠い…。
もう別れたほうがいいのかもしれないな。
どうせずっとこんな感じだ。喧嘩して、謝れなくて、もうダメかもしれないって苦しいだけだ。
いらねーだろ、あんなヤツ。俺には真選組があればいいんだから。
…そう思って開き直っては、白いモン見るたびアイツのことを思い出してる。
めざわりなんだよ。思い出させるんじゃねーよ。
会いたいって思っちまうじゃねーか。
「……でかけてくる……」
「はーい(ぷぷぷっ)」
この時間なら団子屋かパチンコか。
偶然会ったフリすりゃいいんだ。カモフラージュで隊服も着てきたし。
あれ?あの銀髪のもふもふは……あ?な、なんでこんなとこに?ちょ、心の準備が……。
「………何してんだよ………」
「見りゃー分かんだろ。定春の散歩だよ」
「定春、いねーじゃねーか」
「……アレだよ、天気良くて気持ちいいんで、忘れてきたんだよ」
「どこに」
「家にだよ」
「見て分かるかっ、散歩してんのてめーだけじゃねーかっ。…………ふん、暇人は気楽でいいよな」
「ああ!?それじゃあ、お忙しい副長さんは何してらっしゃるんですかぁ?」
「………仕事に決まってんだろ。話かけんじゃねーよ」
「お前が話しかけたんですぅぅ」
「…ふんっ…」
「…ちっ…」
……だから、なんでこうなるんだ。
会えて嬉しかったのに。
普通に話しかけたら、あいつも普通に答えんだろ。俺達は似てるんだから。
……………。
そう、似てる。だから分かってる。
本当はお前も会いに…探しに来てくれたんだろ?こんなとこ、散歩で歩くところじゃねーんだよ。
お前だって分かってるはずだ。俺がお前に会いに…探しに来たんだってことを。
なのにこんなはずじゃなかったって、せっかく会えたのにって、振り返るはずだ。
だから俺も、振り返れ!
……久し振りに見た、あいつのマヌケなツラ。
「………あ〜………時間あるなら飲みに行かね?」
「……ん」
俺もマヌケなツラしてんだろうな、きっと。
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うーん。いろいろ中途半端な気持ちなんですが、これ以上は追加できない(笑)
3行ぐらいしかないメモを引き伸ばすのは大変だったのよぅ。
ホントに、この2人の設定っておいしいところだらけだよね。
楽しいっ。