原作設定(補完)

□その9
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#84  2015/06/23


ある日の午後、ばったり会った公園でベンチに並んで座り、告ってみました。

「俺と付き合わね?」

「………どこに?」

「ベタだなっ。じゃなくて……お付き合いするほうの“付き合う”なんだけど」

「………」

土方は、吸っていた煙草を地面で踏み潰し、新しい煙草を出して、吸って〜吐いて〜。

「………どこに?」

「仕切りなおしても意味は同じだから」

“やっぱり無理か”という呆れた顔で溜め息をつく土方の、気持ちは分かる。

「……なんで俺だよ」

「しらね」(即答)

「…だったら他を当たれ」(怒)

「嘘嘘嘘っ。ん〜〜………か……可愛い、から」

聞かれたから顔真っ赤っかにしてまで答えてやったのに、土方を震撼させてしまったようだ。

「っ!? キモイわぁぁああ!!見ろ、鳥肌たったじゃねーかっ!」

「失礼だろうがぁぁああ!!」

泣きそうだ。

土方は俺の涙目に気付いて、ベンチに座り直すとがっくりとうな垂れる。

「…なんなんだよ、マジで、あり得ねーだろーが」

「意外とお似合いじゃね?想像してみろよ」

「………(想像中)………………やっぱり、無理無理無理無理っ」

その気持ちも分かる。だから次の手は考えてあった。

「どうしても無理なら、ゴリラに相談する」

「あ?」

「だって、お前が無理だって言っても俺は全然諦めてないし、このままじゃお前のストーカーになるの確実だし、ゴリラに許可もらっておいたほうがいいだろ」

「なんだよその理屈」

「無許可で真選組副長追い回してたら捕まんだろーが」

“いっそのこと捕まってしまえばいいのに”と顔に書いてあるが、そんなことをしたら真選組のみんなにこのこと(告白)がバレると気付いたらしい。

しぶしぶという顔で頷いてくれた。

「……分かった」

キャッホォォウ!



それから、土方の非番には、団子屋でお茶したり、サウナ行ったり、映画見たり、酒を飲んだり。

そんな日々に、土方がポツリと言った。

「……今までと同じじゃね?」

確かに。

「…えっと………じゃあ………」

“今までと違うこと”を一生懸命考えまして、そっと手を繋いでみました。

そうしたら、何をする気なんだろうと完全無抵抗だった土方に、

「………ふっ、ガキか」

鼻で笑われました。

分かってますよぉぉ、四捨五入したら三十路の男が青臭いことをしてるってぇぇ!

でも笑われたのは悔しいので、切り替えしてやりました。

「え、大人のスキンシップのがいいの?……えっち」

「違うわぁぁああ!」

「しーっ」

あんまり騒ぐと手を繋いだままの男2人が変な意味で注目されることになってしまうので、口元に指を当てて注意してやると土方は不本意そうに黙った。

それでも手を振り解かれることがなかったので、超嬉しいなと思いました。あれ?作文?



おまけ

「しーっ」

むかつく仕草で静かにするように促されたが、“手を繋いでなきゃいいんじゃねーか”と振り解いてやろうかと思ったのに、俺の手を握った万事屋の手がうっすら湿っていた。

『………緊張してんのか?』

そう思ったらなんだか可愛く………訂正、可哀想になったので、そのまま繋いでやった。





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恥ずかしい話だな(笑)
本当は初キッスまで続くはずだったのですが、
展開を全然考えてなかったし、始終恥ずかしがる男2人は怖いのでで中止(笑)
“あれ?作文?”をはじめて使いました。



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