原作設定(補完)

□その9
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#83  2015/06/21


気だるい体を無理矢理起して、土方はベッドから足を床に下ろした。

立ち上がろうとベッドに着いた手を、うつ伏せに寝転んだままの銀時が掴む。

「もう行くの?」

「…明日早えーんだ」

「………一月ぶりに会って、二時間でお別れとか……俺ってなんだろうな」

土方を見つめたまま責めるようなことを口にする銀時に、土方は何も言い返せないで手だけを強く握り締めた。

こんなことを言わせてしまうほど寂しい思いをさせているのは事実だ。

悪いとは思っているが、それを変えることも変えようとすることもできない。

そして銀時も、土方がそんなことを考えているから辛い顔をしているのだと分かっている。

掴んでいた手をぱっと離し、

「………ごめん、邪魔はしねーよ。そのかわり、キスして。そしたらまた次まで我慢するから」

そう言ってみた。

身体を繋げるようになった今でも、土方から行動してくれることはほとんどない。

会えなかったり、素っ気無かったり、何も言ってくれなかったり。

もしかして……なんて不安はちょっと態度で見せてくれればすぐ無くなるのに。

銀時の目がそう言ってたが、土方はそのまま立ち上がりバスルームへ向かった。

「……」

ドアが閉じて見えなくなった姿に、銀時は小さく溜め息をつく。

5分後、出てきた土方がすばやく身支度を整え、いつもの口調で言った。

「じゃあな」

「…うん」

ドアから出て行く背中を見送って、また連絡をくれるまで待つ。その繰り返しだ。

が、ドアの前に立った背中はくるりと回れ右をして戻ってくる。

そして、きょとんとする銀時のもふもふの頭をガッと少し乱暴に掴むと、土方から唇を重ねた。

銀時はまだ寝転がったままなので体勢的にはかなり苦しいが、初めてのことに驚いているので痛みは感じない。

ゆっくり身体を離すと、

「てめーだけが我慢してると思うなよ」

土方はそう言って急ぎ足で出て行く。顔が真っ赤だから、速攻で逃げ出したかったのだろう。

静かになった部屋で土方のキスと捨て台詞を反芻し、ようやく我に返った銀時は可笑しそうに笑った。

「ぷはっ。お前も一緒だってんなら仕方ねー、ちゃんと我慢してやりますよー」





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短くてすみません。
とりあえずいつもの時間までに一本と思ったので、書けそうなのを。
ただ、これは短い上に超ありがちな話なので、絶対誰か書(描)いててもおかしくなくね?(笑)
ありがちすぎてあえて書かないだろうか……私はあえて書く!(笑)
土銀みたいですが、銀土で想像お願いします。



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