原作設定(補完)
□その8
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それからは、ドタバタと話が進む。
土方と二人で屯所へ行き、お父さん…ではなく近藤にお付き合いしてますの報告と、結婚の承諾を貰い、呆然としている近藤と隊士たちに見送られてリヤカーで引越し。
「なんでリヤカー?」
「荷物少ねーし」
着替えと買い置きの煙草とマヨを積んだリヤカーには空き缶がぶら下がっていた。外国の結婚式で見るアレだ。始終ずっとニヤニヤしているドS王子が付けたものだろう。
正直恥ずかしかったが土方が嫌がっていないので、銀時は“花嫁”を乗せたリヤカーをカラカラいわせながら引いていく。
沖田がそれっぽいBGMを流したりしたものだから、近藤+隊士たちが涙ながらに見送り土方もそれに応えているが、いまいちノレない銀時。
『真選組辞めてねーし。万事屋から通うだけだし』
万事屋で、銀時、神楽、定春、通いの新八、そして土方の新生活が始まった。
が、そのへんは割愛させていただく。(銀時「えっ、新婚のイチャイチャは!?」)
新婚一週間目。
土方の財布と味覚の変化により朝食に甘い物が並べられる幸福な日々は、急に終わりを迎えた。
向かい合って甘味を食べている二人に、呆れた顔をしながら卵かけご飯とサラダを食べる神楽。
だが何口か食べた土方が、
「うっ」
と口元を押さえて台所に駆け込む。
「土方、もしかして………妊…」
「んなわけあるかっ!!」
甘味を吐き出してしまった土方に、追いかけてきた銀時が顔を赤らめながら予想するがきっぱりと否定されてしまった。
もちろん妊娠などではないが、無性に酸っぱいものが食べたくなった土方は、
「なんか……」
部屋に戻って神楽がサラダに使ってたマヨネーズを見たとたん、胸が苦しくなった。
ご飯茶碗の上のあんこを銀時の茶碗に移し、白くなったご飯の上にマヨネーズをてんこ盛りにして、それを口に運ぶ。
「うまっ」
久し振りのマヨネーズの味に感動したあと、それがもたらす結果を呟いた。
「………治ってる?」
『ちっ、治るのかよ』
嬉しそうな土方と、不満そうな銀時。
本来の栄養源を取り戻したことで、いままで鈍かった土方の頭脳が急に活性化しはじめ、大事なことに気が付いてしまった。
『治るんだったら結婚した意味なくね?』
そう思ってチラリと銀時を見るが、銀時も土方が気が付くだろうことに気が付いている。
『意味なくね?…とか思われてたまるかぁぁああ!』
心の叫びとは裏腹に嬉しそうに笑って、
「良かったな、多串くんっ。これで屯所から持ってきたマヨも無駄にならなくて済むな。神楽、もうドレッシング使っていいぞ」
「ほんとアルかっ!?」
「ほら、多串くんもこっちのおかず食って早く支度しねーと、遅刻すんぞ」
そう言ってやると、土方も慌ててマヨたっぷりの食事を続けた。
『ま、いいか』
銀時が幸せそうなので、このままでもいいかと思う土方だった。
そして銀時は真選組に出勤する土方を見送りホッと息をつく。
『離婚されなくて良かったぁ』
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……あれ?なんかちぐはぐですか?(笑)
ネタメモを見たときに、冒頭は覚えてたんですが、
いつのまにか結婚ネタになってて自分でも「あれぇ?」と思ってしまって。
こんな終わり方でいいような、良くないような……
でももう訂正できないのでこれで終わりです(笑)