原作設定(補完)

□その8
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帰り道。

銀時の助言が効果的だったのか、真夜中なのに今から告白に行く気なんじゃないかというほど思いつめた顔をしている土方を、後ろからとぼとぼ歩きながら見つめている銀時。

頭の中はもんもんと同じ事を繰り返し考えている。

『…俺のバカ。こいつにそんなんされて断る女はいねーだろ。誰だよ、俺の知ってる奴かな。…もし付き合ったりしたらもうこんな風に飲んだりできねーよな、こいつ忙しいもんな。……こいつが告白する前に、好きだって言っちゃうべき?だけど困らせるだけだろ』

二人は黙ったまま、屯所と万事屋に帰るための分かれ道までやってきた。

今日か、明日か、明後日か。

土方が誰かを想って、誰かに告白して、誰かと付き合う。

そして、自分の気持ちを何一つ伝えることもできなかった銀時には、そんな二人を羨む権利すらない。

そう気付いたとき、意を決して土方を呼び止めようと顔を上げた。

「……ひじ……」

それと同時に振り返った土方に肩を押された銀時は、壁に背中を押し付けられ身動きできないでいるところに、

「……お前が…好きだ」

息がかかるほどの間近で土方にそう囁かれる。

顔も身体もこんな至近距離になったことがなかったので一瞬たじろいだが、それはさっき自分が言ったシチュエーションに似ていた。

「?あ、練習か?……いいんじゃね、そん…」

真面目なやつだから練習でもしたくなかったのかと思った銀時が感想を言う前に、土方は背中を向けて歩き出す。

屯所に向かう土方を見送る、いつのも風景なのに今日は少し違っていた。

口を固く結んで眉を寄せ、そして顔は真っ赤だった。さほど酔ってなかったはずなのに。

銀時の頭の中に、居酒屋での相談からついさっきの土方の顔まで、一斉に流れ込んでくる。

『…あれ?……あ!? 俺!?』

強く脈打つ心臓を合図に土方を追いかけ、

「土方っ」

腕を掴んで足を止めさせる。その手は少し震えていた。

「……返、事は…いつでもいいから……真剣に考え…」

前を向いたまま呟くようにそう言う土方の姿が可愛くて嬉しくて、銀時は思い切り抱き締めてやった。

「今すぐ言ってやるわっ。俺もずっと好きなんだよっ、焦らせんなコノヤロー」

「……て、てめーこそっ、だったらさっさと言えよっ」

「言えるわけねーだろっ、銀さんのハートはガラスのように繊細なんですぅ、純情なんですぅ」

「てめーのは防弾ガラスだろーがっ」

「うわっ、ベタだなっ。ツッコミならもっと上手いこと言えねーんですか?そんなんじゃ、優勝賞金1000万円は狙えねーぞっ」

「狙ってねーよっ!」

嬉しくてにやけてしまうのを誤魔化すため、真夜中の路上で抱き合ったまま二人の言い合いは続く。




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はうっ!!お約束ネタなのに、うまくまとめられなかった〜。
もうアホかっていうぐらい純情な二人でした。
すいません、ベタで(笑)


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