原作設定(補完)

□その7
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#64

作成:2015/05/29




待ち合わせ場所に土方の姿を見つけて銀時は軽い足取りで駆け寄る。約束の時間を少し過ぎていた。

「悪ぃ、待ったか?」

「想定内だ」

「だよな、お前のほうが常習犯だし、ちょっとぐれー許されるよな」

そんな風に言われても事実であるためには言い返せない土方が、拗ねる+怒る÷2みたいな顔をしたのを見て銀時は笑う。

2人の間を冷たい風が通り過ぎた。陽が沈むと冷え込む季節になってきたな、と思う。

「どっか入ってりゃ良かったのに。寒いだろ」

「平気だ、自販機あったし」

見れば土方の手には紙コップが握られていて湯気が立っている。

「なに?」

「カフェオレ」

「まじでか。ちょっとちょーだい」

土方にしては珍しいものをチョイスしたなと思いながら、銀時が受け取った紙コップに口を付けたあと、

「…マヨ入り」

ポソリと土方が呟いた。

耳と舌でソレを確認したあと、ブーーーッと噴き出す銀時。

明らかに銀時が口にするのを待ってからの報告には悪意を感じないこともない。

「てめっ、何してくれちゃってんのっ!?」

「あー?美味いだろうがっ。マヨの酸っぱさが甘さを消してるだろ」

「美味いわけねーわぁぁ!!なんで甘いものをわざわざ酸っぱくする必要があるんだよっ、台無しじゃねーかっ!!」

口に残ったマヨ味をペッペッと吐き出す銀時に、さすがに土方も機嫌を悪くしたようだ。

眉間にシワを寄せ銀時を睨み付けて叫ぶ。

「一度言おうと思ってたんだけどよ…………てめー、俺が好きならマヨネーズも好きになれやぁぁ!!!」

カチンときた銀時も負けじと叫び返す。

「なら俺も言わせてもらうけど、おめーも、俺が好きなら甘いもん食ってみろやぁ!!!」

2人の声が大きかったので、通りすがりの人たちが『え?今好きって言った?ホモ?』という目でチラ見していく。

睨み合ってるうちにどんどん身体は冷え、気分も落ち着いてきた。

小さい溜め息をついて土方が言い、銀時が応える。

「…好きでも合わないことってあるよな」

「あるある、仕方ねーよ。それより何食う?」

「屋台のおでん」

「いいねー。銀さん、いちご牛乳焼酎割り飲んじゃうよ」

「俺はマヨ割り」

そして2人並んで歩く、いつのも風景。





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短い…でも頑張って倍ぐらいにしたんですよ。
最初は笑っちゃうぐらい短かった。
あえて細かい設定を書きませんでしたが、他の設定にも使える話。
3Z、逆3Z,同級生等、好きなシチュでご想像下さい。
あ、虎牛は無理だね(笑)


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