原作設定(補完)
□その7
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どうやら沖田が言っていた“天人の食材”は、地球人が食すと猫化してしまうらしい。
なんとか宥めてやっと押入れから出てきた土方は、しょんぼりと肩を落とし、猫耳をぺたんと伏せている。
それを見てると可哀相になるが、これだけは聞いておきたい銀時。
「で?なんで逃げたんだ?」
「……だ、だって、こんな姿だし…」
「…か、可愛いよ?」
銀時の正直な気持ちだったが、普段言い慣れないセリフに照れが出てしまった。
怒った声で土方が否定する。
「嘘だっ!」
「?」
「前に、猫耳は好きじゃないって…」
「…あ〜…」
確かに言った。銀時の周りの猫耳にはロクな奴がいなくて、キャサリンやエロメスを思い出して愚痴った時だ。
銀時が否定しないので、土方は顔をくしゃくしゃにして鳴き叫ぶ。
「お、お前に嫌われるの嫌にゃぁぁぁあ」
すっかり情緒不安定な土方だったが、銀時と、開いたままの襖に廊下で覗いていた隊士たちにとっては、
『萌え〜〜〜っ』
な可愛い姿になってしまっていた。
隊士たちに気付いた銀時は襖をピシャリと閉めて、猫手を顔に当てて泣いてる土方に近寄る。
「本当に可愛いって」
「う、嘘だ…」
「お前はどんな姿でも可愛いよ………って言わせんなぁぁああ!照れんだろーがっ!!」
本気で照れて本気で言ってるらしい銀時に、土方はようやく涙を止めた。
「……でも、このまま戻らなかったら……嫌になんだろ……」
「たとえ戻れなくてもずっと一緒にいる。なんなら、その料理食って俺も猫耳になってやってやろーじゃないの」
「…てめーは可愛くねーからやめとけ」
「なんだとコノヤロー」
そう言いながら抱き締めてくれる銀時に、土方も素直に身体を預けて擦り寄る。
頬にふわっと触れた猫耳に、銀時の中の何かが弾け飛んだ。
腕でホールドしたまま手のひらで背中や首筋を撫で回すと、土方は身体を震わせて拒絶の声を上げるが、
「よ、万事屋っ、やめ……だめ、にゃぁ……」
逆効果だ。
デートが中止になって一度は押さえた銀時の銀時が暴走……する前に、バーーンと襖が全開。
廊下には沖田以下隊士たちが勢ぞろいしていて、その手には大量のビールと日本酒が握られていた。
「おめでてぇバカップルにプレゼントでさぁ」
そして始まる酒宴。
どうやら件の食材に含まれる猫化成分は、尿と一緒に排出されるらしい。つまり飲んで出せということだ。
猫耳、猫手、猫尻尾をつけた近藤まで乱入してきてげんなりする銀時の隣で、土方が一生懸命ビールを飲んでいる。
そっと耳元で囁いてやると、全然痛くないやわらかい猫手で殴られた。
「今度猫耳グッズ買ってやるから、それ付けてさっきの続きしよーな」
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ド定番の猫化。でも可愛いから一回はやっときたいよね!(笑)
時間がなさすぎてすぐに書けそうなのを選んだのに、超時間オーバー。
コメント書いてる時間もない(笑)
猫化と言えば、原作のホウイチ篇の銀さんが一番可愛いけどね。