原作設定(補完)
□その7
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真選組屯所に戻った土方は局長室の近藤の所へ行き、200万の入った封筒を目の前に置く。
「近藤さん、例の200万だ……」
「え、もう用意したのか?」
受け取りながら、
「それにしても、大丈夫か?ずいぶん無理したんだろ。そんな急がなくても良かったのに」
げっそりと痩せた姿に心配気な声をかける近藤に、土方は胸が熱くなった。
「大丈夫だ、あんたに迷惑はかけられねーし」
「あ〜、悪いな〜。俺も何とかできねーか言ってみたんだけどよ」
「いいんだ。今回のことは俺が全部悪いんだから」
優しい言葉をかけられると涙が出そうになる。
普段近藤が土方にかけている迷惑を考えるとプラマイゼロなる気がするが、そこは真面目な土方なので、働きすぎて弱りきっているところに真選組のことや近藤のことを考えたら気分が盛り上がって言ってしまった。
「残りの返済も何とか用意するから……あんたのために!」
「ゴリのためってどういうことだぁぁ!!」
廊下側の襖をパーンと開けて銀時が入って来る。
「よ、万事屋っ」
「おまっ、毎日会えて嬉しいとか純な俺を唆して利用しやがったなっ!」
「いや、それはその場のノリというか……」
「ノリ!?お前にとって俺ってその程度のモノなのか!?」
「そっちじゃなくて……」
“近藤のために”がノリだったとは、近藤の前では言いにくい。
いきなり乱入してきて銀時に詰め寄られている土方への援護のつもりで、近藤が話に割って入る。
「トシ、残りって何のことだ?」
「え?何って、3億の……」
きょとんとする土方に、近藤は説明してくれた。
「ん?銀行に強盗して手にいれた3億円はそれ用に銀行が準備してた偽札で、見破られないよう超精巧に作られたものだから実費200万弁償してくれたら不問にするって、聞いてないか?」
つまり燃えたのは偽札で、返済するのは200万円のみだったようだ。
「ゴリさん、それ副長さんに伝えたの誰?」
「総悟だけど?」
「……なるほど……」
全て納得して溜め息をつく銀時。
またしても騙されてしまった土方は肩を震わせ、
「………総悟ぉぉぉおおおお!!!」
そう怒鳴ると子鬼を探しに飛び出して行った。
++
「というわけで」
「何が“というわけで”だ。いきなりこんな場所(ラブホ)なんか連れ込みやがって」
「銀行強盗の件はチャラになったけど、俺の宝くじの件はまだだよなぁ、土方くん」
「………てめー……俺と3億、どっちが大事なんだよ」
「さ……」
「3億って言おうとしただろ!」
「じゃあおめーは俺と3億、どっちが大事よ」
「3億に決まってんだろ!」
「…だろ?」
「……」(納得)
「そんじゃ簡単にいこうぜ。1発1万円で3万発、一回5発として週2回で約60年!!身体で払って貰おうか!」
どこっ
「安いわぁあ!!」
「そっちぃ!?普通、“恋人に身体で返せとか酷いじゃないのよ、もうつ!!”とか言わねー!?」
「……こ……こここ………恋人に身体で返せとか酷でーだろーが」
「それはそれ、これはこれ!」
「じゃあ、言わせんなっ!!」
「金はねーんだろ、だったら身体で払うしかないと思いますぅ」
「……だったら、1発100万で300発、今までした分差し引いて残り200だな」
「どこの高級コールガールですかっ!」
どかっ
「誰がコールガールだっ!」
「だいたい、今までに100発もしてませんんん。仕事でドタキャンだの、1発もしねーうちに呼び戻されただのっ」
「……ちっ……みみっちぃこと言うんじゃねー。だいたい60年なんて………」
「一生かかって払わせるから覚悟しとけコノヤロー」
「…望むところだコラァ」
「じゃあ、さっそく1回目の支払いっ」
「…てめっ……元気すぎんだろ……」
『3億で土方の一生が買えんなら安いもんだよな』
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前半と後半は別々の話だったのです。
だから後半セリフのみでも許してください。手抜きじゃないんです(笑)
私が残してるネタメモはセリフはほとんど書いてあって、それに説明文を付けていきます。
だから説明文さえサクサク書ければ、あっという間に終わるんですが、
今回の前半部分はメモが無かった……
たぶん仕事中に思いついたけど、メモするときには忘れてたんだと思います。
……っていう気がするだけで、誰か他の人のネタが頭に残ってたとしたら怖い……
原作はチェックしたんですが、アニメと内容がズレてたらごめんなさい(笑)