原作設定(補完)

□その7
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「どこがテロだよ、くだらねーことで真選組呼び出すんじゃねぇ、アホ共がっ!」

“犯人”が父親の車で姿を消すと、土方が瓦礫を蹴り飛ばして愚痴った。

先ほども怒り露わにご子息共を怒鳴り散らそうとする土方を、必死に止めた隊士たちが遠巻きにする中、土方が小声で呟く。

「………ちっ…もう少しだったのに………」

「何がもう少しだったんでぃ、土方さん」

恐れ知らずに近づいていた沖田が聞き返し、

「……………なんでもねぇ」

少し頬を赤らめてそっぽを向いた土方に怪訝な目を向ける。





「なんて言ってましたが、何がもう少しだったんですかねぇ?」

「……………さぁ?」

深い意味はないまま銀時に問いかけてみた沖田だったが、答えた銀時の顔が昨夜の土方と同じ顔をしていることに気付いた。

最近非番に外出の多い土方の行先に興味はなかったが、『もしかして』なんて沖田が考えているところに、良いタイミングで土方が沖田を追いかけて見廻りに出て来たのが見える。

距離を空けたまま土方も沖田と銀時に気付き、銀時も土方を見つけた。


顔の赤い銀時。

にたり顔の沖田。

察した土方。


「………」

土方はくるりと背中を向けて引き返して行く。


「逃げた」

「沖田くん、それも食っていいから。あとよろしく」

銀時は立ち上がり、沖田に向かってそう言って土方を追いかけた。

それ→団子、あと→会計。

「………」

団子を食いながら、口止め料としてお土産も土方のツケで買って行こうと思う沖田だった。



かなりの早歩きで逃げる土方に、小走りで追いついた銀時が隣に並ぶ。

顔を真っ赤にして悔しそうな顔をしている土方も、昨夜は自分と同じ気持ちだったのだと知った銀時は前を向いたまま問いかけた。

「……リベンジ、いつにする?」

次の非番はだいぶ先だったが、昨夜非番から駆けつけて来たことで近藤が土方に時間をくれていたので、

「………明日」

「了解」

呟く土方に、銀時は嬉しそうに笑った。




おまけ

「息子が母ちゃんと遊びたいって言ってましたっ」

「………分かった。遊んでやるから出しやがれっ」

「キャー」





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冒頭に行数をかけるかどうか悩んだのですが、止まらなくなりそうなので止めました(笑)
「エロなんて全く見たくないわ!」という人にはNGだったかもしれませんが、
どうしても外せなかったので……雰囲気的に(笑)
私の脳内ではエロエロにイチャイチャしてる二人がいるんですけど、
文章にするのは無〜理〜。




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