原作設定(補完)
□その3
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酔って足取りもおぼつかない土方を仕方なく万事屋に運び、自分の布団に寝かせようとした。だが土方は首に腕を絡ませて擦り寄ってくる。
酔うと甘えっ子になるタイプなのか?
今日は始終機嫌の良い土方だったが、さすがにこれはそろそろマズイと、絡む腕を外す。
「ちょっ……いいかげん離れてくれませんか。ヤバイんで」
「ヤバイ?…」
眉を寄せた銀時の言葉の意味を察したのか、土方はおもむろに銀時の股間に手のひらを当てる。
「おわぁぁっ」
「んで勃ってんだ?」
「お前が抱きつくから…」
赤くなって顔を反らす銀時に、土方はとろんとした目のまま首を傾げた。
「んー?…お前、男でムラムラすんのか?男好きか?」
「お前が好きなんだよ!」
「俺?」
「っ!!」
銀時はしまったという表情のあと耳まで赤くなってしまった。
また初めてみる顔になんだか嬉しくなってしまい、
「…なんだコノヤロー、可愛いな」
と、頭をぐしゃぐしゃと撫でてから笑って言ってやる。
「やりてーなら別にやってもいいぞ?」
「な、何言ってんだよ」
「別に減るもんじゃねーし、増えもしないしな」
「酔ってんだよ、お前」
「酔ってたほうが俺的に痛くねーんじゃね?お前、やりてーほうなんだろ?」
土方らしくないことを言い出したのは酔ってるせいだと分かっていたが、冷静に対応できるほど銀時の気持ちは浅くなかった。
もう会えばいつも抱き締めたくなる衝動に駆られる。酔っぱらいの据え膳でもすがりたかった。
だけど酔いが覚めたときに、それを土方が許してくれるか分からない。嫌われてしまったのでは意味がない、となんとか気持ちを落ち着かせた。
「…つーか、俺、酔った勢いとか嫌なんですけど」
「…味噌汁…飲んだらスッキリする…」
「あ?作れってか」
それで酔いが覚めて、それでも今の会話を覚えていたら抱かせてくれるんだろうか。
「…分かった。てめ、寝んなよ」
高まる興奮のまま急いで味噌汁を作り、戻ってきたとき土方は、
「すかー」
布団に大の字になって寝転がっていた。
「おいぃぃ、起きろっ!おまっ、片想い男の純情もてあそぶんじゃねーよっ!」
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もう遅いと言える時間に鳴ったチャイム。玄関に出ると土方が立っていた。
「はいはい………土方」
「…ガキ共は?」
「あ?新八んとこ行っていねーけど……って、おいっ」
土方はそれを聞いて中にズカズカ入り、銀時の部屋の襖を開ける。寝るには早い時間だったが布団が敷かれていた。
「わぁっ、なんだよ、おまっ」
慌てる銀時を無視して部屋に入り布団の上に立つと、後ろ手に帯をほどき始めた。
「ちょっ…土方…」
その声に動揺と不安に混じっていたため、土方は振り返り言う。
「約束守りに来た」
「約束?」
「酒が抜けたらすんだろ」
「…思い出したのか…」
「忘れて悪かったな。味噌汁まで作ってくれたのに」
そもそもが酔っぱらいの戯言だったのだ。土方に謝られると、本気にした銀時のほうが申し訳なくなってしまい小さく笑った。
「あー、まぁ、気にすんなよ。つーか、なんで来るかな。そのまま思い出してないフリしときゃよかっただろうが」
それは本音だった。このまま帰って、もう俺を煽るようなことをして欲しくない。苦しくなるだけだから。
が、土方はその願いを無効にする言葉をくれた。
「フリにしたくないから来たんだ」
「…バカですか…」
「かもな」
正直好きかどうかは分からないが、銀時の知らない顔をもっと見てみたい。そう思ったのは確かだったから、土方はぎこちなく伸されたその手を取った。
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いつになく土方がイケイケ(死語)でしたね。
あのあとは当然エロですが、
だけど土方さんも初めてだったりするので、
結局最後までできなかった、というオチがいいな(笑)