原作設定(補完)

□その21
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#210

作成:2016/07/18




「銀さん、ちょっと飲みすぎじゃない?」

「しょうがねーだろぉぉ、だって……会ってくれねーんだもん」

「会う? 誰に?」

「仕事が忙しいのは知ってるけどさぁ、ニケ月放置って酷くね? 俺を……というか、“俺の俺”が可愛そうじゃね?」

「だから誰なの…………っていうか、銀さん、付き合ってる子いたんだねー」

「……付き合ってはいねーんだけど……」

「え……“俺の俺”って……じゃ、じゃあ、セフレとかいうやつ? ……銀さん、やるこたーやってんだ」

「だから二ヶ月もやってねーって言ってんだろーがぁ!」

「でもさぁ、付き合ってないなら他の子とやったらいいじゃない」

「…………アイツが良いんだもん」

「そっかー、銀さんはその子のこと好きなんだねぇ、なるほど、うんうん」

「〜〜〜〜〜〜〜っ、んなことねーしっ!!何、的外れなこと言い出しちゃってんの、長谷川さんのくせにっ!!!」

「俺のくせにって何!? どんな照れ隠し!?」

「うるせぇぇぇ!! 親父ぃ!酒もっともってきて!! 長谷川さんも飲めやぁぁ!!」

「飲んでやらぁぁぁぁ!!」




「……おえぇぇぇぇ……」

「だから飲み過ぎだって、銀さん」

「……うぃぃぃ……長谷川さん……水ぅぅぅ」

「え、ああ、じゃあ、コンビニで買ってくるから」



「ありがとうございましたぁ」

「……う……なんか……腹が、痛くなってきた……店に戻ってトイレ借りようかな…………あ!土方くん!」

「……長谷川さん」

「丁度良かったぁぁ! 悪いんだけど、トイレ行きたいから、コレ、銀さんに届けてくれるっ!?」

「あ?」

「この先の階段のところにいるからさぁ、お願いねっ!」

「ちょっ………………はぁ……」



「……だからさぁ、仕事が大事なのはちゃんと理解してるわけよ、そういうヤツだって分かってたんだしぃ」

「?」

「だけどさぁ、ちょっとぐらい顔見せてくれるとか、声を聞かせてくれるとか、あってもいいんじゃないの、って思うわけですよ」

「……独り言かよ……」

「だからって別に好きなわけじゃないからねっ、そんなんじゃないからねっ!別にアイツじゃなくたって全然かまわないんだしぃ。だから二ヶ月誰ともヤんなかったのに特別な意味はねーよ? アイツから連絡くるの待ってたらいつのまにか二ヶ月も過ぎてたとかじゃないから。アイツだって俺が待ってるとか思ってねーから平気で待たせるわけだしぃ、全然平気だしぃ」

「…………」

「……あれ、水だ。いただきま〜す……(ごくごくごく)……ぷはぁ! ありが…………」

「…………」

「……ダメだ……マジで酔ってるわ。長谷川さんが土方に見える……」

「…………」

「(ごくごくごくごくごく)ふぅぅ…………ちょっと醒め……」

「…………」

「…………ひ、土方?」

「おう」

「な、ななな、なにしてんのぉぉ!?」

「……仕事が片付いたから二ヶ月ぶりに電話したってーのに居ねー誰かさんを探しに」

「さ、探しに?」

「……てめーがどう思ってようと、俺はてめーだから……てめーじゃなきゃ嫌なんだよ」

「…え…………あ、ちょっ、待っ…………あの、俺もお前が良いです……」

「……分かってる」

「え?」

「てめーが素直じゃねーのは分かってんだよ。観念したならとっとと行くぞ」

「ど、どこに?」

「……二ヶ月ぶりに会ってそのまま帰らせる気か、甲斐性無し」

「い、行く、行きますっ」




「はぁ、すっきり! ごめんね、銀さんっ! あれ?いない……」



 おわり



本当はもっとじめじめした話だったんですが……喧嘩してるとか、そんな感じの。
酔っ払い銀さんの愚痴系っていう、よくある展開で終わりました。
こういうアホなノリの銀土が大好きです。

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