学園設定(補完)

□逆3Z−その2
21ページ/21ページ



「そうだ。てめー、剣道部入れ」

「はあ!?え……ちょ……でも、俺もう3年……」

驚く銀時の手を取り、土方は手のひらと指をそっと撫でる。

「もう剣道はやってねーのか」

「…っ……た、たまに素振りするぐらいしか……」

確かに柔らかい手のひらは何もしていない手だ。

土方はソレを確認したかっただけなのだが、銀時からすれば“好きな人に手を握られている”わけで、赤くなってうろたえているところにもう一押し。

「……引退までに俺に勝てたら付き合ってやってもいいぞ」

「まじでか!!」

銀時と同じぐらい部員たちも驚いた。“付き合う”もそうだが、この学校でも見た目でかなり目立つ銀時が、土方が部活に勧誘するぐらいの腕前だということに。

銀時はそんな部員たちに振り返り、

「部長っ!」

「は、はいっ」

「3年Z組の坂田でぇす。入部すっから、よろしくぅ」

「よ、よろしく」

入部を決めて嬉しそうだったが、2人の実力を知っている新八は心配そうな視線を向けた。

『あーあ、銀さん……土方先生に乗せられちゃって……先生、あの頃よりもずっと強くなってるのに』

剣道を続けていたならともかく、素振り程度の銀時に勝てるはずもない。

剣道部の顧問になってから一ヶ月の土方は、もう少し部員の強化をしたいと思っていたのだ。

「俺頑張るからっ!俺たちのためにっ!!」

「頑張れ。俺のために」

そう言って笑った土方の、ようやく自然に出た笑顔にまんまとときめく銀時だった。




おまけ

元来の才能とセンスもあってめきめきと上達する銀時が、大会に出るための胴着について悩んでいた。

3年ですぐに引退のため新調するのも勿体無いと、部員から借りる予定だったのだがサイズがいまいち合わない。

「どうした?」

「土方先生。銀さんにはどれもちょっと足りないんです」

試着してみて丈の短い胴着を着た銀時に、土方がけろっとした顔で言う。

「ああ、坂田の分はいい。俺が買ってやるから」

それを聞いた銀時が、ひょこひょこと嬉しそうな顔で土方のところにやって来る。

「まじでか。いいの?」

「誘ったのは俺だしな……白いやつが良い」

「白?なんで?」

「てめーは白が似合うからな」

“頭が白いから”と考えて笑った土方に、

『笑った!か、可愛っ!!』

単純に喜ぶ銀時。

「先生っ!やっぱり結婚してっ!!」

「はいはい。インハイで優勝したらな」

「ものごっさ頑張る!!」

そんな2人を見ながら、

『銀さん、転がされています。土方先生の手のひらの上でコロコロと……』

子供の頃にも土方に乗せられて厳しい練習もこなしてきた銀時を思い出し、2人の未来図が目に見えるような気がする新八だった。



 おわり



まじで……なんでこんなに長くなったのか(笑)
学園設定は順番に書くって決めてたので(そうしないとどれかに偏りそうだったので)、
ずっと書いておきたかった同級生の長編の前に、逆3Zを書かなければなりませんでした。
それでとりあえず短いネタを考えたら……この話に……。
後回しにしても良かったけど、記憶に新しいうちに書かないとね……薄れるし(笑)
でもなんだか色々足りない部分があるし、銀さんの呼称が統一してないし……
補完で直せ……たらいいなぁ……いつになるか分かりませんが……。

次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ