原作設定(補完)
□その5
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#41
作成:2015/05/01
酔った勢いで身体を重ねた。
その後もアイツが関係を続けているのは、他に相手を探すより楽だからとか、金がかからないからとか、そんなとこだと思う。
何も言わないアイツに、俺も何も言えなくなった。
身体だけの関係、それがつらいと思っても止められない。
……止めたくない。
「次の非番、いつ?」
「…来週の火曜」
「じゃ、俺ん家な」
「……」
「? 無理?」
「…大丈夫だ」
その日は、近藤から休みを取らされた土方の誕生日だった。
『知ってるわけねーし……知ってたからって関係ない、身体だけなんだから』
5日。
荒い息を整えて土方は布団から立ち上がった。
「……風呂借りる」
「上がったら冷蔵庫からビール持ってきてよ」
布団に転がったままの銀時にそう言われて返事はせずに風呂に向かう。
シャワーだけ浴びてから冷蔵庫を開けると、白地に赤い果物が乗ったものにラップがされ置いてあった。
“Happy Birthday 土方”とチョコプレートが付いたケーキだ。
「…っ…」
服を着てもう一度布団に転がっていた銀時は、土方が冷蔵庫を開けた音に内心ドキドキしていた。
呆れるか、嬉しがるか、怒るか……スルーされるのが一番怖いな。
なんて思っていたのだが、戻ってこない。
「?」
台所まで行ってみると、冷蔵庫を開けたままケーキを手に取り、土方は俯いたまま動かない。
「土方?」
「……俺…お前が好きだ」
「…俺もだよ」
ようやく顔を上げた土方は泣きそうだった。
「…いつ…から…」
「最初からに決まってんでしょーが。好きでもないのに男とヤレるかっての」
「………お前変人だから」
「てめっ。その変人が好きなお前はなんなんですかコノヤロー」
泣くのを我慢するように眉間に皺を寄せたままの、土方の頭をくしゃくしゃに撫でてやる。
甘い物は苦手だったが、銀時が食べさせてくれるので頑張って食べた。
今までで一番旨いケーキだった。
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土誕記念週間の誕生日ネタ。
エロから始まる二人、ってのは萌えるよね。
うちの銀さんはヘタレなので、体だけで終わらないしねっ!