銀魂メイン
□傷跡
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この頃俺の愛しい総悟の様子が変だ。
総悟は小さなカフェで皿洗いの仕事をしている。
でも最近はこの仕事から帰ると、一人になりたい、と寝込んでしまう。
しかも、見知らぬ傷を肌に目立たせて…。
それについて尋ねると、
「仕事中にドジしやした」
と言って傷をさすった。
俺が、そっか、と言って頭を撫でてやるとうれしそうに笑い俺にキスしてからお休みとつぶやいて寝室に入っていった。
俺は遅れて、寝室のドアにおやすみ、とつぶやく。
…ねぇ、総悟。本当にドジしただけなの?
※※※
今日も総悟は新しい傷を作ってきた。
そしていつものようにすぐに寝室に入っていった。
総悟が一人にしてほしいというから、寝る時まで寝室には入らなかった。
11時になると俺もそろそろ眠気がピークになるのでテレビを消して、寝室に入った。
小さな音を立てながら部屋に入るとランプがオレンジ色にともっていた。
総悟は小さな寝息を立てながら眠っていた。
ふと、入り口の脇の机に目を向けるとノートが置いてあった。
普通のよりも少し薄い。総悟の日記。
俺は、罪悪感があるものの、表紙をめくった。
内容は懐かしいことだった。
デートしたり、買い物をしたり。
初キスのことが書いてあるページはつい赤くなってしまった。
でも、後半は違った。
俺とのデートのことからいっぺんし、カフェの話になった。
カフェの店主に振るわれた暴力の話に…。
やっと、すべての総悟の動言や嘘、隠し事の理解ができた。
いつも仕事から帰ると元気がないのも、生傷が増える原因も。
全部店主のせい。
ベットの上の総悟を見る。
ほっぺたの湿布が気になるが、気持ちよさそうだ。
そんな総悟にさえ腹が立ってきた。
俺の中の何かが、崩れた。