唐「つかキミに恋をした悼訂版
□〜prologue〜
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女の子は優しくキズを洗って土を落としてくれる。
ちょっとしみたけど。
それにちょっと胸がドキドキした。
それから肩にかけたポシェットからティッシュを取り出して水を拭きとって、おまけに可愛い柄のはいった絆創膏を俺に差し出した。
「これあげる。
もう泣いたらアカンで?」
『ぉん』
俺はその絆創膏を受け取った。
「ほな、ね。ばいばい〜」
女の子はニッコリ笑うと手を振って走っていってしもた。
俺はボケーッとその後姿を見送った。
まだ胸はドキドキしたまま。
今だ俺の心の奥底に残る記憶。
俺の初恋…