唐「つかキミに恋をした悼訂版
□〜prologue〜
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俺が4〜5歳くらいだったと思う。
近所の公園で友達と追いかけっこをしていて派手に転んだ。
『いったぁ〜…』
膝を抱えてうずくまる。
友達は近くに居らへん。
ゆっくりと膝から手を退けると膝に血が滲んでた。
『うわ〜んっ!!』
一気に痛さ倍増。おまけに一人ぼっちの心細さ。
俺は声を上げて泣いた。
どれくらい泣いてたんやろ。不意に声がした。
「どないしたん?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔を上げると同い年くらいの女の子が目の前に居た。
その子はしゃがみこんで俺の顔を覗き込んでた。
俺がすぐには何も答えることができずにしゃくりあげてたら、
「こけたん?」
顔を見つめたまま、また聞いてきた。
『…しらん』
俺は泣いてるとこを見られた恥ずかしさと照れくささでそっぽを向くと訳のわからん返事をした。
するとその子はケラケラ笑いながら俺の手を引っ張った。
「あはは!アンタ、おもろいなぁ〜。
ちょお、こっち来てん。ちゃんとキズ、洗わんとバイキンはいるで」
俺は手を引かれるままに水道のとこまで連れていかれた。