novel-V
□赤い悪魔
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「うっへぇ〜・・・超悪趣味!!王子としては許せないね。こんな悪趣味な城」
全く緊張感を持たない声が古城の前に広がる薄暗い森に響いた。
「煩いよベルフェゴール。その台詞、もう9回目だ」
「数えてたの?マーモン。俺お前のそういうトコ大っきらい」
そう言うベルにマーモンは「それはもう15回目だよ」とため息を吐きながら古城を見上げた。
「僕等の任務は城から逃げ出してきたカルマファミリーの護衛部隊の抹殺。一人も逃がしたく無いみたいだよ」
そう言うとベルは思い出してしまったその任務内容に酷くやる気無さ気にナイフを投げ
そのナイフは森を掻き分けて死に物狂いで駆けてきた護衛部隊の男の心臓を貫き血のシャワーを吹き上げた
「つっまんねー仕事」
がっかりだ。とベルは木に寄りかかってゴロンと寝転びながらマーモンと同じく城を仰ぎ見た。
「お姫様を助けに行くのは王子の役目なのにさ。」
「仕方無いよ。君に保護任務は向いて無い。敵味方無く殺してしまうからね」
マーモンの声は呆れた様にベルに伝わり。
そして城から響いてくる断末魔にベルはさらに唇を尖らせて拗ねる様な仕草を見せた
「ボスとスクアーロだけずりぃ」
断末魔は響いては消え、響いては消え
真っ赤な惨状の中でもきっと表情一つ変えないあの男の姿がベルにもマーモンにも容易く想像出来た。
「つまんねぇの」
【赤い悪魔】
血の匂いは慣れていた。
「うぉぉぃ。テメェさっきから狙ってやってんだろう」
しかし、こうも血を被り続けて良い気がする訳がなく。スクアーロは暫く肉は食わないでおこうと心に決めた
「よけれねぇカスが悪ぃ。このノロマカスが」
XANXUSが放つ銃弾でまた一人男の頭部が破裂し、その噴出す血をザンザスが避ければスクアーロが頭から被る結果となる。
先ほどから何回それを繰り返している事か。
透き通る様なスクアーロの銀髪はもはや赤黒く染め上げられていた。