短編
□男の娘の恋
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――頬を滑る手に心臓が痛いくらいに脈打つ
頬に熱が集まるのが分かる
そんな僕を見て「可愛い」と囁く白澤
頬を滑っていた手が唇をなぞり、ぞわりと体が粟立つ
だけど、もっと触って欲しい…なんて
我慢出来ず、僕は白澤の方へ一歩。足を踏み出し
彼に抱き着くと自分の唇を彼の唇に押し付ける…
そこで今日も目が覚めた
ハァーッと大きく息を吐き出し、未だに
ドキドキと激しく動き回る心臓に手を当てる
白澤にキスされて告白されてから、何度も
同じ夢を見る。…触れられるだけで胸が苦しい
「…僕、男なのに」
ポツリと呟いた声は、呟いた僕にすら聞こえずに消えた