探偵
□2
1ページ/5ページ
「こんにちはー!」
「あ、いらっしゃい瑠華さん!あがってあがってー!」
瑠華は現在、毛利探偵事務所を訪れている。
蘭が福引で当てたというフィギュアを受け取るためである。
「どうぞ」
接客用のソファに腰かけ、しばらくすると蘭がコーヒーを持ってきてくれた。
「ありがとう蘭ちゃん」
「お砂糖2つに、ミルク1つですよね!」
「うん、そう!さすが蘭ちゃん、もうすっかり把握されちゃってるな〜」
蘭と仲良くなってからもうだいぶ経つ。
何度も探偵事務所に遊びに来ているうちに、好みを把握されたようだ。
「はい、それからこれ!」
蘭が、瑠華の目の前に目的の品を出す。
「うわあ〜!!蘭ちゃん、ほんとにいいの?!」
「はい、もちろん!わたしはこういうのよく分からないし、瑠華さんがもらってくれたほうが、きっとその子もうれしいと思うんで!」
「蘭ちゃん…」
瑠華は蘭の言葉に瞳をうるませる。
そして、がばっと蘭に抱き着いた。
「蘭ちゃ〜ん!大好き!!今度お姉さんがケーキバイキングにでも連れて行ってあげよう!!」
「そ、そんなこれくらいで大袈裟な…」
(ホントにな…)
女子二人がきゃっきゃしているのを、半ば失笑しながら見ているコナンであった。
「おい蘭!おしゃべりもいいが、そろそろ支度しろよ!」
「あ、ごめーんお父さん!」
「??この後お出かけ?」
「そうなんです。今日の17時から、お父さんの高校時代の同級生の結婚祝いパーティに招待されてて…」
「へぇ〜、結婚かぁ…」
「瑠華さんは、いつごろする予定なんですか?」
蘭が少しからかうように聞く。
「うっ…当分予定ないです…。というか、蘭ちゃんワザと?ワザとなの、ねぇ??」
「ダメだよ、蘭ねえちゃん。瑠華ねえちゃん彼氏もいないんだから!」
「こ、こら!コナンくん!」
「コ〜ナ〜ン〜く〜ん??ちょ〜っとお姉さんと向こうでお話しようか??」
「あっ、ボ、ボクも着替えなきゃ!」
「ごめんなさい瑠華さん!コナンくんには、後でちゃんと言っときますから!」
「あはは!別にいいのよ。私ももう、ちょっと諦めてるとこあるしw」
そう言って、少し自嘲気味に笑う。
「にしたってなー。瑠華ちゃん美人なんだから、その趣味さえなければ簡単にできるだろうに。どーにかなんねえのかよ」
小五郎が気だるげに新聞を読みながらぼやく。
「ほっといてください!私はやめるつもりはあ・り・ま・せ・ん!それに、2次元は裏切りませんから!3次元の男なんかより、よーっぽどマシです!」
「こりゃ重症だな…」
「うん、そうだね…」
断固として聞き入れようとしない瑠華に、呆れ顔の小五郎と蘭であった。