LOVE ME DO！
□あたし色に染まれ
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「さ、どうぞ入ってください」
にっこり笑いながら可愛らしく手招きをされて、あたしは「…どうも」と頭を下げながらおずおずと部屋の扉をくぐった。
なんとも高級感の溢れる部屋なのだろう。
その部屋にはダーツまで設置されていて…これが社長室だというのだから、贅沢の極みだと思う。
何故ここに呼び出されたのか、そんなことはあたしにも分からないのだけれど。
あたしはこのSHINJITSU.Coでモニターとしてアルバイトをしている。
まあ、普通のアルバイトとは違って大好きな漫画を読んでるだけでお給料が貰える、なんとも画期的なアルバイトなのだけれど。
他のモニターはどうか知らないけれど、あたしは“シンジツの教室”以来、七峰先生のファンだ。
この会社のことをネットで知った時は一目散に応募した。もうそれは熱狂的アピールで。
初めて七峰先生を見た時は驚愕した。
お洒落で可愛くてイケメンでもろタイプ。
こんなに容姿端麗な彼が何故こんな正当法とは言い難い方法で漫画を作ってるのかな？という疑問符が浮かんだのと同時に亜城木夢叶を越えたいというだけの意欲に胸がキュンとしたのは、多分あたしだけだろう。
あたしはどうやら、このタイプの人間に弱いらしい。
一目惚れ同然に芽生えた恋心。
そして、あたしは今日、社長に呼び出されてここまでやって来たのだ。
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