短編

□早く会いたくて
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「手足が、えらく冷え切っている。さっさと風呂に行って温まってこい!」


屯所に入るなり、彼が言いだした。


『‥でも!
土方さんこそ、疲れてるんじゃ//』


「俺はまだ、少し用事がある。先に入ってこい。」


わたしは頭をポンとされながら、優しい笑みを向けてくる土方さんの気持ちをうけとり、入浴した。


そして、土方さんもお風呂に入り、今は一緒の布団にくるまり、恋仲のラブトーク中。


「お前、寒がりの癖に なんで半刻も上着一枚で突っ立ってたんだ?」


『さっきも 言ったとおり、早く土方さんに会いたかったんです。帰りも予定より遅かったし、心配で‥‥。ダメでしたか?』


土方さんの胸元から少し離れ、上目遣いに尋ねる。


「ダメじゃねーが、舞桜が風邪引かねーか心配なんだよ‥。」


優しい髪を撫でてくれるのが心地良い。


『じゃあ‥‥。
わたしが寒くないようにギュッとしてくださいね♪』


「あぁ‥。
お安いご用だ。」


彼の温もりに包まれて眠る夜。


寒いのは苦手だけど、こんな甘い時間を過ごせるならいいかもしれないと思った冬のひとときでした。



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