短編
□朝のひととき
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お陽さまが登ったばかりの屯所の台所。
舞桜は、朝食の準備に追われていた。
『千鶴ちゃん今日は、焼き鯖、オクラ納豆、小松菜の胡麻和え、おみそ汁だよ。
朝一番の栄養は、大切だから、頑張って作ろうね。』
「うん。
それに舞桜ちゃんがお料理をいっぱい教えてくれるから、わたしも勉強になるよ。
未来は、すごいなぁ‥‥。」
千鶴ちゃんは、そう言うけど、わたしだって千鶴ちゃんくらいの時はお料理なんてめったにしていなかった。
たまにクッキーやケーキを作るくらい。
大学進学で上京して、授業で福祉や栄養バランスの大切さを学んで、料理にも力をいれてきた。
2人で準備をすると、スムーズに進み、あとはお味噌汁の味付けをするだけ。
『千鶴ちゃん、そろそろみんなに声掛けに行ってくれる?こないだみたいに平助くんがお寝坊するといけないから。』
喜んで、走っていく千鶴ちゃんの背中を見守る。
千鶴ちゃんと平助くんは、最近ちょっといい感じ。心優しいお姉さんは、なるべく2人きりになれるよう配慮しているのだよ♪
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