短編
□雨の日でも‥
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それに、今日は午後からショッピングモールに春物を一緒に買いに行く予定だったのに‥。
舞桜の仕事が不規則なため2人の休日が重なるのは、珍しいのだ。
「窓の側にいると身体が冷えるだろう。
こっちで温かいものでも飲んで、気持ちを落ち着けないか。」
片付けも終わったのか、はじめさんがソファーに腰かけながら、コーヒーをすすめてくれる。
わたしは、またひとつため息をつくと、ソファーに向かい、彼の横に座った。
彼は、わたしが大好きなミルクたっぷりのカフェラテを作ってくれていた。
それを一口飲むと、また愚痴り出す。
『はじめさんとのお出かけ、すごく楽しみにしていたのよ。‥‥‥なのに、昨日のお天気予報で、激しい雷雨になるでしょうとかいっ‥‥‥』
ピカッ!!ガッシャーン!!!
『いやーーっっ!!』
突然の落雷に驚き、はじめさんの服の袖にしがみつく。
子どもの時から、雷だけは本当に苦手なのだ。
彼は、頭を抱き寄せ、優しくなでてくれる。そして、穏やかな声でわたしに話だした。
「俺は、別に雨でも雷の日でも、いいと思う。」
『えーっ!?なんで?』
顔をヒョコッとあげ、問いかける。
「舞桜と出かけて賑やかに過ごすのもいいが、悪天候だと家でだれにも邪魔されず、2人の時間を静かに過ごせるだろう。
それに、雷に脅えるあんたを俺だけが甘やかしてあげられるからな。』
そういって、わたしの耳元にチュッと小さなkissを落とす。
そんなこと言われたら、もう何も言えないじゃない////。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
お出かけは、また次回にして、今日はお家ではじめさんとゴロニャンデートに変更しちゃお♪
だって、はじめさんに甘えて過ごすのも、大好きなんだもん☆
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