短編

□桜の宴
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3月下旬。
寒かった日も過ぎて、お陽さまが顔を出す時間が増えた。


そして、今日やっと桜が咲きました♪


堅かったつぼみが少しずつ膨らんできていたから、一週間前から、土方さんの目をすり抜けて、こっそり近所の桜を見上げていたの。


薄紅色の小さな花が本当に愛らしい。



春・桜・お天気良好ときたら‥‥‥、


『ヨッシャー!!
リアル桜の宴の開幕だぁ(^w^)』


DVDは、もちろん持っているし、イベントにも行ったことがある。


周りはもちろん女の子だらけ、会場先で親友も出来た。

その子に、今 薄/桜鬼の世界にいると 伝えたら、発狂して羨ましがるだろうな‥‥☆


翌日、みんなで広間で朝食中にお花見の提案をする。


「桜が咲いたのか!じゃあ、花見したいよな!?」

「オゥ!桜を見ながらの酒は一段とキューッとうめぇだろうな!!」

「新八は、酒が飲めれば、何処でもいいんだろ。でも、花見がしてぇよな。」


平助君、永倉さん、左之さんは すぐに賛成してくれた。


「たまには、息抜きも必要だ。桜の開花は、嬉しいことじゃないか!」


「そうですね。試衛館でも、よく騒いでましたね。」

「隊務も大事だが、季節を感じる心も必要だ。美味い弁当を準備しよう。」

近藤さん、山南さん、一君も賛成みたい。


残りは‥、

『今回は、反対しませんよね?土方さん。
近藤さんも賛成してるのに‥‥。
千鶴ちゃんも、お花見したいよね!?』



「うん。
やりたい!お花見は、みんなと楽しくがいいですよ。
だって、いつも わたしだけお留守番で寂しかったんだよ。非攻略キャラの近藤さん、山南さん、永倉さん。映像で山崎さんでしょ。
それに鬼チームから、天霧さん、不知火さんまで出てるのに!
わたしだって、桜の宴に出たい!!」


あれ?
普通にお花見に誘っていただけなのに、千鶴ちゃんの別のスイッチを押しちゃったみたい。


熱く語りはじめちゃった。


あのイベントは、資金繰りのため、お嬢さまたちが集まるから‥。千鶴ちゃんも本当は、すごく参加したかったんだね。


「まさか 土方さん。不参加とか言いませんよね?桜を見ると、お得意の句が浮かぶかもしれないのに‥。
あ。別に、下戸で恥ずかしいとか悩んでるなら、無理しなくても、大丈夫ですけど。」


「誰が下戸だ!総司。
俺は飲めねーんじゃなくて、飲まねーだけだ!」


『じゃあ、宴の開催 決定ですね♪』


お花見は、一週間後に決定した。
そうと決まれば、急がなくちゃ。四次元携帯で、ご馳走やお酒も取り寄せて‥‥。



あ!宴には、あの人も呼んだほうがいいよね。

なんだかんだ言って、賑やかなの好きな人だし。

わたしは、レターセットとボールペンを取り出し、招待状を書いた。


宛先は‥‥。
ま、とりあえず、薩摩藩邸でいっか。



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