夢置き場
□始まり
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俺は真っ暗闇にいる。
本当の闇の中に。
光なんて到底訪れる訳がない。
そんなこと望んでいない。
そう思っていた。
神は時々残酷である。
俺を無理矢理にでも光に溢れた世界へ連れ出そうとする。
最初は眩しすぎて目を逸らしていた。
鬱陶しくて逃げだそうともした。
でも、光は絶えない。
ずっと薄汚い俺を見つめてくる。
俺はただただ怖いだけであった。
俺の闇を…すべてを見透かしているようだった。
だけど、その内その光が俺の傷を癒していった。
俺の闇を照らしていった。
そのときにはもう手遅れだった。
俺はこの光なしでは生きていけない。
そう思うほどに執着してしまった。
俺の闇はまだ心のどこかにあるんだ。
その度、近くにいる光の存在に苦しめられることになることは目に見えている。
俺にはこの光は眩しすぎるのだ。
きっと一生この光に縛られるだろう。
だけどいいんだ。
俺は、この光がたまらなく愛しくなってしまったのだから。
闇にくれた俺の物語。
光の力で俺はどうなってしまったのか。
…これからお話しよう。
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