異国の日常

□第8話
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セバスチャンside


「シーエール〜」

「マ、マダム!離してください!」

「やあ伯爵。久しぶり」

本日のお客様。
坊ちゃんの伯母上のマダム・レッドことアンジェリーナさま、崑崙英国支店長の劉様がお着きになりました。


「ようこそお越しくださいました。アンジェリーナ様、劉様。」
そう挨拶をして応接室に通す。

「それで今日は何をしに来たんです?マダム」

「何よー可愛い甥っ子の顔を見に来てはダメだって言うの?」

「そういうわけじゃ…」

坊ちゃんはマダムに少々弱いようです。
お母上に似ているからでしょうか?

「冗談よ。顔を見に来たってのは本当だけど、あんたが新しい使用人を雇ったって聞いたから」

「我もマダムと同じ理由だよ。なんだか面白いことが起こるような気がしてね」

「そんな理由で来るな!!」

そう口では言っておりますが、彼はだいぶ天邪鬼なので内心は喜んでいます。

「そうでしたか。皆様のお心に感謝いたします」

「それで、その子はどこにいるの」

「今アフタヌーンティーの用意をいたしております。が、どうも遅いですね」

さっきケーキを切っていたはずなのですが…。

棗のことですし、ミスとかではないと思いますが。

「だったら我が見て来るよ。”彼”の特徴を教えてくれるかい?」

「いえ、お客様にそのようなことは…」

「我が行きたいのさ。執事くん。」

このお方は相変わらず自由というかなんというか…

長年生きて来ましたがなかなかいない性格ですね。

「では、よろしくお願いいたします。私と同じような執事服を来ております」

「わかった。それじゃあ行って来るよ」

劉様は部屋を出て行かれました。

「全く自由な奴だ…」
「まぁ、それでこそ劉よね。ところで…新人君は良い男なのかしら?」

マダムの息が若干荒くなっておられます。
棗も私と同じ目に遭うのですね。
助けませんが。

「何を言って…あいつは女だ」
「えぇ!?でも今執事服って」
「いろいろあってな」

「まぁ、見てからのお楽しみでございますよ」
「それもそうね。セバスチャン。今日は何かしら」
「今日はアールグレイをご用意させて(ガッシャァァン!!

突然何かが割れる音がした。


「なんだ今のは!?」

「確認してまいります」

私は音のした方へと急いだ。

するとそこには






刀を抜き、『仕事』の時と同じ顔をした棗が劉様にむかって殺気を大量に放出していました。
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