異国の日常
□第2話
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(コンコン
着替えを終えて坊ちゃんの部屋の扉を叩く。
「入れ」
中から坊ちゃんの声がした。
およその気配からタナカさんはいないようだ。
「失礼します」
「サイズの方は大丈夫か?」
「はい。しかし、変ではないでしょうか?今までこのような服装をしたことはなかったので…」
少し不安になったので聞いてみた。
「大丈夫ですよ」
坊ちゃんは何も言わなかったが、代わりにセバスが答えた。
どうしてだろう?なぜかイラッとする。
「なんだかセバスに言われるとイラっとするのはなぜなのだろうか?」
「だろう?いちいちイラッとするんだコイツは!」
坊ちゃんは同意してくれた。
この執事は何をして来たんだ…?
あぁそうだ言わないといけないことがあったんだ。
「あの坊ちゃん。1つお聞きしてもよろしいでしょうか」
「あぁ、なんだ?」
「始めてあった時から気になっていましたが…セバスは人間ではありませんよね?……悪魔かその辺りですか?」
「!?」
「なっ!?」
どうやらビンゴのようだ。
何と無くそんな気がしていたんだ。
坊ちゃんが少し私の方を睨んだ。
「なぜそう思う?」
「私はずっと裏で活動して来ましたからね。数人の悪魔にあったことがあります。あと死神という存在にも。その死神に人と人ならざるものの違いを教えてもらいましたから」
セバスは少し考えているようだったが、やがて坊ちゃんに話しかけた。
「これ以上は隠す方が難しいでしょう。」
「そのようだな。棗その通りだ。セバスチャンは僕の契約悪魔だ。」
「あ、やっぱりですか」
まぁ悪魔だろうが死神だろうが、坊ちゃんが信頼しているならいいですけどね。
セバスが坊ちゃんを裏切るなんてなさそうだし。
「言っておくが僕は信用はしているが信頼はしていないからな」
でしょうね。悪魔を信頼しろっていう方が無理でしょうね。
「……。ところで、私の仕事は?」
「それでしたら明日から教えます。もう休みなさい。」
「わかった」
「坊ちゃんもそろそろお休みください。ただでさえ何時ものお休みの時間より遅いのですから」
「わかっている。早く着替えさせろ」
「御意」
坊ちゃんは着替えを始めた。
流石に出て行くか。
「坊ちゃん。私はこれで失礼させていただきます。」
「ああ」
「おやすみなさいませ」
(ギィーバタン
女王の番犬はとんでもない牙を持っているな。
まぁ私もこれからその牙になるわけだが。
悪魔の上司とか…。
嫌な予感しかしない。