異国の日常

□第19話 一章最終回
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汽車に揺られて数時間。

ようやく屋敷に一番近い駅についた。

因みに汽車の中では始終ぼーっとしていた。
こんなんじゃ殺し屋として失格なのはわかっているけれど頭が全く働かなかった。
情けない


それはいいとして、見えてきたファントムハイヴ家の屋敷の一部が破壊されているのはなぜだろ
敵襲?

いや、それはないか。
セバスがいるもの。坊ちゃんに危険が及ぶようなことはあり得ないはず。
じゃあどうして?


不思議に思いつつも裏に回り、厨房の勝手口を開けた。

(パーンッ
(キンッ

「…どうしていきなり撃たれないといけないんでしょうか?」
「お前、どこのもんだ?ここはファントムハイヴの屋敷だぞ」

溜息を吐きながら見ると銃を構えた知らない男がいた。
まぁ予想はなんとなくつくけど。
だって格好が料理人の格好だしね。
さて、この威嚇しまくっている人にどう説明するか。


その時パタパタと誰かが走ってくる音がして私がいる方とは逆のドアが開いた。
「棗ちゃん!お帰りなさいですだ!!」
「あぁメイリン。ただいま。」
たった数日しか会ってないけど、メイド服がしっくりくるようになっている。

「んだ?知り合いか?」
「今朝、セバスチャンさんが言ってただよ!執事補佐が帰ってくるからそのつもりでって。聞いてなかっただか!?」
「はぁ!?それってこの嬢ちゃんのことかよ。そりゃあ済まなかったな。」

彼はすまなさそうに頭を掻いた。
気さくないい人じゃないか。

「いいよ。あの速さは合格だしね」
「俺はバルド。バルド・ロイ。料理長として雇われた」
「九重棗。九重がファミリーネームで棗がファーストネーム。ここの執事補佐をしている」

「よろしく頼むぜ棗嬢ちゃん」
「こちらこそバルド」



「それで、どこ行ってただか?」
「あー。坊ちゃんのお使いでイーストエンドに」
「あそこってなかなか危ねえとこじゃねえか。」
「あんなとこごときで死んでたらここの使用人は務まらないからね」

メイリンとバルドの3人で話していると、コツコツと誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。

まぁ誰かなんてわかっているけどね。
少し道草を食いすぎた。

「棗。帰ってきたのであれば報告をしなさい。坊ちゃんも書斎でお待ちですよ」

少し怒っているセバス。
今回は私が悪いから素直に反省しないとね
「はいはい。今行きますよ」
「反省してませんね」
「してるよ。それじゃあ後でね2人とも」



私はセバスと共に坊ちゃんの待つ書斎へ向かった
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