異国の日常

□第15話
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「…………………。どうしてなんだろうね」
「は?なにが?」

着替え終わった私を見て劉は開口一番でそう言った。

「とりあえず、似合ってるだろう?」
「うん。悔しいぐらいにね。今度は我のを是非着てくれないかい?」
「え…でも、劉のぶかぶかだよ?」
「だからこそだよ。まぁいい、朝食をもって来たから食べよう。昨日は何も食べなかっただろう?」
「ありがとう」

私達は朝食を口に運ぶ。
少しだけ中華を期待していたけれど流石にイギリスでは無理なようだ。
それでも、坊ちゃんに出しても問題無いような美味しいご飯だった。

「「”ごちそうさまでした/承您款待了”」」


劉はお皿を持ってドアの方に行く。

「待って!私が持って行くよ。」
「いいよ。棗はここにいておくれ」
「わ、わかった」

お礼も兼ねてもって行ってもよかったんだけどな。
なんか劉の目が怖かったから素直に従うことにした。

「それじゃあ出掛けようか」
「え?」
「伯爵の手紙でね、棗をたまには遊ばしてやって欲しいと書かれていたんだ。」

坊ちゃん…
そこまで私のこの考えてくださっていたんだ。
でもどうせなら1人がよかったです。
「今日はロンドンで物産展がやっているみたいだしよかったら行かないかい?」
まぁ、折角の坊ちゃんから頂いた休日だ。
お言葉に甘えて遊ばしてもらおう。

「わかった。行く」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」

劉は笑いながら私の頭を撫でる。





あれ?





今……





嫌じゃないって思った?
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