異国の日常
□第11話
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「お待たせいたしました。坊ちゃん」
「あぁ」
「それで、今回のはどのようなものでしょうか?」
坊ちゃんは資料とともに説明した。
ターゲットは一言で言えばマフィアに毛が生えたような集団。
粋がっている馬鹿どもの集まりらしい。
それだけでやめておけば良いものを、盗み、殺.し、人攫い……。
犯罪にまで手を染め、ファントムハイヴの息がかかるあたりも、多少被害が出ている。
全く、面白い遊びでも、突っつき過ぎると猛犬が牙を向くと言うのに。
あと、ヴィクトリア女王も、心を痛めているとか。
まぁ、彼女のことはどうでもいいけどね。
私の主は坊ちゃんだし。
「かしこまりました。謹んでお受けいたしましょう」
そう言うと、坊ちゃんが怪しく笑った。
「なぁ、棗。こいつらの片付けが終わったら……。少しばかり使いを頼まれてくれないだろうか?」
「??要件をお願いします」
坊ちゃんは封筒を取り出す。
ファントムハイヴの紋が入った正式なものだ
「これをある奴に渡してもらいたい。なぁに簡単なこと(仕事)だ。」
「その『ある奴』とは?」
ふっ
と、坊ちゃんはさらに笑みを深くする。
嫌な予感しかしない。
「劉だ」
「全力でお断りさせていただきます」
今の私は
きっと
とびっきりの笑顔だったのでしょうね……。