異国の日常

□第10話
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「え、新しく人を雇う?」

坊ちゃんに雇われて1ヶ月。
この生活が日常になった頃、セバスからそう言われた。

「はい。流石にこの広さですので新しく人を「ク、クビ!?私何かした!?言ってくれれば謝るからぁ!!」棗落ち着きなさい。」

「いたっ」

この野郎結構本気だった。
後頭部をさすりながらセバスの次の言葉を待つ。

「とりあえず、クビではありませんよ。プラスで雇うということです。私は坊ちゃんのお世話がありますし、貴女も外出することが多いですから。」

つまり、屋敷用の傭兵か…。
確かにタナカさんだけでは手薄になる。

「いいと思うよ。でも何故わざわざ私に言うんだ?」

「どのような人にするか条件を言ってもらいたくて」

「あぁ…『人』のね。んーそうだなぁ。役職としては女中、庭師、従僕、料理長は、最低限いるかな。
それと、『技術』重視の方がいいかと。」

役職ってよく知らないけど、このくらいだろうか?
育ちが育ちだからよく分からないや。


「成る程わかりました。では参考にさせてもらいます。」

そう言うとセバスは踵を返した。

「あ、一つ聞いていい?」

ふと浮かんだ疑問。
私は慌ててセバスを呼び止めた。

「なんです?」

「よくよく考えたら執事補佐って普通男性枠じゃない?」

そう聞くとセバスは少し考えると答えてくれた。

「貴女の噂から雇うことになったのですが、女性と思ってなくて服を用意できなかったんですよ」

………。
そんなくだらない理由だったなんて。
まあいいけど。
スカートよりこっちの方が動きやすいし。

「もういいですか?」

「あ、うん。教えてくれてありがとう。」

セバスを見送り仕事に戻る。


新人かぁ。



楽しみだな。
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