異国の日常

□第7話
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朝になった。

まだ多少疲れは残っているとはいえ、だいぶ楽にはなった。

「テイカーもう起きてるかな?」

私はベッドからおりて店の方に行った。

「zーzーz」

!?なんだいびきか……たぶん。
ということはまだ寝てるんだよね。



お礼もしたかったし…朝食でも作ろうかな。

私はキッチンに向かう。
そして冷蔵庫を開けて絶句してしまった。
「少な!!こんなのでよく生活できるよ。」

冷蔵庫の中にあったのは卵、牛乳、バターぐらい。
あと水?
周りは小麦粉と砂糖と塩とティーパック。


……誰がどう見たってクッキーの材料と紅茶だ。

「流石は誰もが認めるイーストエンドの変人。食についてもなんて想像つかないよ」

ここは執事補佐として腕が試されるところだ。今は他の店が開いていない時間。
あるのはこの食材だけ。
本当にどうしろと言うんだ。


けどやるしかない。お礼しないのは日本人としての名折れだとお母さんも言っていたし。


こうして、ファントムファイヴ家の執事補佐こと、九重棗の朝食作りが始まった。





とかふざけてみたが、目玉焼きと、無発酵のパン?しか出来ないけれどね。



「こんなものかな?」


テイカーに一言いってから帰りたいし、起こすそう。


私はいびきの聞こえてくる棺を叩く。

「テイカー!朝だよ!出て来て」

暫くすると


ギギギギギィ・・・・・・
棺が開いてテイカーが出て来た。

「おはよう棗。昨日はよく眠れたかい?」

「うん。そろそろ屋敷に帰らないと。報告しないといけないから。」

「そうかい。また、いつでもおいで。」

「うん。お礼に朝ご飯作ったから食べて。」

「おやファントムファイヴ家(一流)の朝ご飯かい?」

「そんな大層なものじゃない。それと、食材もっと買ってて。クッキーばかりじゃ身体壊すよ。」

「大丈夫だよ〜。小生は丈夫だからねぇ」
「……。それでも。だよ」
「わかったよ。それじゃあね棗。」

「えぇ。また」


そうして私は『Undertaker』を後にした。
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