紺碧の刃

□役人さん1
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西暦2205年、時の政府は過去へ干渉し歴史改変を目論む「歴史修正主義者」に対抗すべく、物に眠る想いや心を目覚めさせ力を引き出す能力を持つ「審神者」と刀剣より生み出された付喪神「刀剣男士」を各時代へと送り込み、戦いを繰り広げる。


審神者は初め、神社や寺、陰陽師の家系のものが選出されていた。
しかし、それには限度があり、一般市民の中にも霊力の高いものがいればほぼ強制的に審神者をされられるようになっていた。

浅葱もかつては審神者にさせられるべく政府に連れてこられた1人だった。名を捨て、家族を捨て、国のためだと諦めていた浅葱の前に立ちはだかった現実は

『霊力不足』


政府側のなんらかの手違いで浅葱には基準以下の霊力しか存在しなかった。刀剣のいない本丸を異空間に存在させることすら困難なほどに。浅葱は審神者になることを許されなかった。

浅葱はやるせなさと怒りから担当になるはずだった男にものすごい剣幕で噛み付いた。
家族も名前も捨てた自分はこれからどうしたらいいのか。
戻ることもできない私はどうすればいいのかと。
幸い担当は情のある人で、上に掛け合い浅葱は政府役員としておいてもらえることになった。そして、手違いの侘びとして一度だけ政府の手を借り、鍛刀することを許された。

天涯孤独となった彼女へ与えられたたった1人の付喪神。

「僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう?」


これが後に凄腕と噂される2人のファーストコンタクトだった。
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